パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

赤塚不二夫倒れる(二年前に)

2006-11-02 15:23:56 | Weblog
 報道ステーションを見ていたら、たぶん、この時期恒例なのだろうが、今年なくなった人々を紹介していて、その中に、赤塚不二夫の奥さんが出てきた。
 二番目の奥さんとかで、赤塚よりだいぶ若いらしい。写真を見たらなかなか綺麗というか、かわいらしい女性だが、さて、赤塚本人はどうしたのだろう、最近姿を見ないが、と思ったら、二年前に脳溢血で倒れて、意識不明状態が続いているそうだ。ということは、植物人間になってしまったのだろう。(「植物人間」という言い方も最近聞かないな、そういえば)奥さんは、その赤塚をずっと看病し続けて、先に死んでしまったわけだ。
 彼女の希望は、赤塚が再起して、また傑作漫画を書いてもらいたいということだったらしいが、赤塚自身はもうその気力も体力も才能もなく、奥さんの前で、腑甲斐無い自分を嘆いて泣いては、慰めてもらう日々だったらしい。
 それでも不摂生は止まず、ある日突然倒れて植物人間となった。当然、奥さんの希望も断たれたわけだが、それでも看病は続け、そして先に死んでしまった。

 赤塚もずいぶん罪作りだが、なんでこうなってしまったかというと、結局、古谷三敏が彼のもとを去ったのが痛かったのではないだろうか……と、ずっと前から思っているのだが。

 そもそも、赤塚の代表作は何かというと、「バカボン」より、「秘密のアッコちゃん」(実は、これはみたことがないのだが)とか、「おそ松くん」だと思う。つまり、お人好しのヒューマニストが赤塚の実像で、ただ、露悪趣味のようなものがあるので、その側面が、古谷三敏というインテリの支えを受けて開花したのが「バカボン」ではないかと。

 ヒューマニストで、かつ露悪趣味があるという点では、赤塚は写真家の荒木に似ている。ただし、赤塚が無類の正直者であったため、露悪趣味が自己破滅にいたってしまったが(植物人間となった赤塚を、奥さんは「可愛い」と言ってたそうだが、それは、赤塚の「破滅するまでの正直者」というところをそう称したのだろう)、荒木はそういうことはない。別に不正直というわけではないのだろうが、やっぱり、自己弁護に長けているのだろう。出来上がった写真が露骨すぎるというので、本人の要望で発売中止になった写真集があったが、あの時も、荒木にはまったく影響はなかった。「喋れる」ということは、現実問題として、大切なのだろう。

 加藤茶が緊急入院。
 なんか、こんなニュースばっかりだが、2chのスレに、「体長を崩し云々」とあったので、「縮んだのか?」、「くしゃみのしすぎ」、「余命はちょっとだけよ」などの書き込み多数。コメディアン冥利につきるね。

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