パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

疎かったので

2011-01-31 17:20:26 | Weblog
 少し前、再建途上にある日本航空の稲森会長が、日本航空の社員には、倒産後もなお、「安全運行のための赤字はやむを得ない」と考えている人が多く、それが悩みの種だと語っていた。

 これこそ、まさに官僚の独善思考なのだが、官僚自身は、その独善性に気づかない。

 そもそも「安全運行のために生ずる赤字はやむを得ない」のなら、利益を上げることを目的とする民間航空会社はあってはならないことになる。

 否、航空会社であろうが、鉄道会社であろうが、人命に関わり、かつ公共性をもつ事業はすべて民間ではなく、官営でなければならなくなる。

 事実、その通りであるならば、航空会社であろうが、鉄道会社であろうが、官営にすべきだが、「事実」は全く異なる。

 「事実」は、安全運行のために生じた赤字は、税金で補填することになるし、そのように官営事業は制度が設計されている。

 事業本体は常に「安全」なのだ。

 その代表例が、年金のデータ処理を、当時、一般的にパソコンとのちがいがあまりはっきりとわかっていなかった、たとえば、「書院」や「文豪」といった、ワープロ感覚でやってしまったために(たぶん、そんな感じなんだろう)生じた損失を、3000億円近い税金で補って、テンとして恥じることがないのだ。

 「我々は、公僕として一生懸命やった。コンピュータに関する知識に関して言えば、確かに疎かったかもしれないが、20年前、30年前はみんな似たり寄ったりだったじゃないか」というわけだ。

 官僚は「疎くて」ミスをしても、制度(法律)を盾に、責任を取らないですましているが、政治家はそうはいかないからね。

 残念!

 菅総理大臣。

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