パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

バイク便詐欺登場

2008-09-25 23:18:35 | Weblog
 振り込め詐欺で、銀行のATMが使いづらくなったため、振り込みの代わりに、バイク便を使う新手がでてきたそうだ。

 「もしもし、おばあちゃん? オレだよ、オレ。オレのミスなんだけど、会社の帳簿に穴あけちゃって、今日中に返さないと首になっちゃうんだ。500万でいいんだけど…払ってくれる? ありがとう。あ、でも最近振り込め詐欺が流行っていて、銀行がものすごく厳しくて、ATMの周辺に警官がいたりするんだよ。だからさ、おばあちゃん、バイク便を出すから、バイク便にお金渡してくれない? ああ、ありがとう、おばあちゃん」

 といった具合らしい。銀行,警察の警戒網を、その網自身を逆手に取って,正面から突破するわけだ。これは、はるかに犯人たちの方が頭がいい。

 詐欺にかからないように警戒しろ、とマスコミで言っているが、詐欺のプロにとっては、どんなに警戒されたってそんなこと、屁でもない。いったん信用させてしまったら、「詐欺ではないか?」という疑問を抱いても,それを合気道の名手のごとく、逆手に取って、「詐欺なんかじゃないよ」の一言で黙らせてしまう。

 私の父親は、保険業を長くやっていて、人を疑うプロみたいなものだが、知り合いの娘が日本航空のパイロットと結婚することになってその結婚式の披露宴に招かれた。

 ところが、その結婚式が終わってからしばらくして新聞を見て仰天した。パイロットは戦後、伝説的に語り継がれる有名な詐欺師だったのだ。

 父親は、その詐欺師とは、結婚式を挙げる少し前から知り合いで、一緒に食事をしたりしたらしいが、彼がパイロットであることを疑わせるような素振りはどう考えても、何一つなかったそうだ。その娘さんも、相手が詐欺師だったとわかって、逮捕されてからもまだ半信半疑だったらしい。

 詐欺師というのはそういうものなのだ。相手の食いつきが悪ければすぐに猟場を変える。そして、しっかりと食いついたものだけを相手にする。

 もちろん、だからといって警戒を呼びかけることがすべて無駄というわけではないが、いったん網にかかってしまった場合にどうするかということで、警察は、そのためにATMの周辺に警官を配置したりしているわけだろうが、それは完全に無駄と言い切っていいかと思う。「振り込め詐欺対策でATMが使えないから、現金で頼む」で簡単に突破されてしまうからだ。

 もっとも、還付金詐欺と言われるものには、ATMの周辺で警官が目を光らせるのは、多少有効かもしれないが、でもそんなことをいつまでも続けることができるのか? 交通安全週間と同じことになりはしないか。(ちょうど今交通安全週間のようだけど)

 そんなことより、前から言っているのだが、ATMであれ窓口振り込みであれ、振り込んだ金の現金化を2,3日禁止すればいいではないか。

 いずれにせよ、振り込め詐欺で捕まったものも少なからずいるはずだから、彼らに、「どのような対策を立てられたら,一番困るか?」と聞けばよいと思うのだが、そういうことはしているのだろうか? 

 話は少し変わるが、テレビに目撃証言などをする人間の首から上をちょんぎって放映する、あれはどうにかならないものか。顔を出す人もいないわけではないから、多分,本人が嫌がっているのだろうが、対策がないわけではない。

 簡単だ。そういう人は放映しなければいいのだ。顔を出してもよい、と言う人の映像だけを流せばよいのだ。

 どうせ、そう大したことを言っているわけではないし、もし重要なコメントがとれ、しかも本人は顔を出したくないと言ったら、記者が録音するなり、メモするなりして、それをアナウンサーが読むなりなんなりすればいいではないか。

 と思うのだがねえ。

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