パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

謹賀新年

2007-01-02 18:42:54 | Weblog
 新年明けましておめでとうございます。

 しかし、「お正月」というものは、独り者にとっては、実に始末の悪いもので、布団かぶってやり過ごそうと思ったが、途中で頭がボーッとしてしまい、起き出して外の空気を当たりに行こうと思ったが、サッカーの天皇杯を、どちらのファンというのでもないが、一応見届けようと思っているうち、外出のチャンスもなくなり、また布団に潜り込んだ。

 こんな生活を続けたら、一週間でアルツハイマーになりそうである。

 香取慎吾の『西遊記』(再放送)を見た。なんじゃ、こりゃー!であるが、放映当時の視聴率は高かったそうな。

 私が見たものは、孫悟空が激辛定食を食べて、「水、水ー!」と騒ぐが、水がない(定食は水気たっぷりの汁ものだったのだが……)、腕相撲大会で優勝賞品の水を賭けて、武藤敬司(グレート・ムタ)と勝負する。(激辛食品で水が欲しいのだったら、直後に飲むのでなければ意味がないと思うのだが……)その武藤はやもめの子だくさん。その子供のために腕相撲大会に出場していることがわかり、三蔵は、相手を勝たせようと、金コ呪を唱える。孫悟空は頭の金環が締まって七転八倒、負けてしまう。(別に奥の手の呪文を唱えずとも、勝った後で、賞品の水を子供達にわけてやればいいのでないの? そうすれば、町を支配しているらしい妖怪との戦いにも、武藤一家を援軍として期待できようというもの。)
 ところが、武藤のほうから、腕相撲は実際にはオレが負けていたからと言って、水を提供される。孫悟空は、「助けはいらねえ」といって拒否する。(激辛の後遺症は何処へ?)どうせ、武藤は孫悟空たちと一緒に妖怪を退治するのだろうけど……どうやって、二人は和解するのかねえ……といったあたりで、見るのを止めてしまったので、その後の展開は知らないが、ただ、この食堂の雰囲気はなかなか良かった。『スターウォーズ1』の異星人たちが集まる酒場をモデルにしたのだろうが、あれよりずっと良かった。なんでだろうと考えたが、『スターウォーズ1』の酒場の場面は、多分、黒沢の『用心棒』をモデルにしたので、本家本元のほうが「お手のもの」だったということかもしれない。
 あと、武藤は、かつて相米映画に主演したくらいで、貫禄があったし、三蔵一行につきまとう女泥棒も良かった。水川あさみとかいう女優らしいが、すごくキュートで、身のこなしも軽く、本場中国で人気が出るのではないか。(最初、カンフーアクションの得意な中国の女優をスカウトして使っているのかと思った。)

 と、まあ、そんな感じなのだが、シナリオ、演出は、香取がひたすら騒ぎまくり、喋りまくりで、落第以前の問題。制作者たちは、自分で見て、「これでよい」と思ったのだろうか。クドカンあたりの線を狙っているのだろうが、クドカンは、ちゃんとドラマの壷は心得ている。それとも、「西遊記」はドラマではないと? たしかに、昔見た中国のアニメでは、孫悟空が斉天大聖として散々天上で暴れた末、お釈迦様に捉えられ、数百年の後、西域にお経をとりに行く三蔵に助けられ、一緒に天竺を目指す、というところで終わっていたが、『西遊記』をドラマ(主人公の心理的葛藤をメインとする劇)にしようと思うなら、これがベストかもしれない。

 ともかく、この「香取西遊記」を映画化するということで、その宣伝のために、昨年、あの格好でカンヌ映画祭に赴いたそうだが(話題が古くてすみません)、いくらなんでも恥ずかしくないのだろうか、あんな白痴みたいな芝居をさせられて、香取慎吾は。

 『何でも鑑定団』新春特別版で、九重親方、焼き物鑑定で全問正解に満面の笑み。全勝優勝した時より嬉しそうだった。

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