パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

川口怪談

2008-07-22 20:39:14 | Weblog
 また川口で変な事件が起きた。

 女子中学生が父親を深夜3時過ぎに刺し殺したというのだ。

 そのとき,父親は,猫のような声で絶叫したらしい。

「フギャ~!」

 って感じだろうか。

 その女の子は,直前に、父親が家族を殺す夢を見たということで、それで、目を覚ましてから、「殺らなければ、殺られる」と思ったらしいのだが、驚いてかけつけた母親に,その父親は、「灯りをつけてくれ」と言ったそうだ。すべては暗闇の中で行われたわけだ。

 ということは、マスコミはいつもの事件報道のように、「父娘の隠された葛藤」を探っているようだが、そんなことではなく、一瞬でも灯りをつければ、この惨劇はたぶんなかったのではないか。

 しかし、猫のような声がしたという近所の人の証言は本当に怖い。映画の貞子どころではない。といって、貞子は見てないのだが。

 柳田の「遠野物語」にこんな話がある。

 娘が嫁入りすることになり、その支度のために両親が町へ買い物に行くことになったが、そのとき,娘のおりこひめに、「誰が来ても入れるなよ」と言った。ところが、昼頃、山姥がやってきて、娘をとって食べ,その皮をかぶって娘に成り済ました。

 そこに両親が帰ってきて、おりこひめが無事なことを喜んだ。

 翌日、家の鶏が、「ぬかや(物置のこと)のすみっこ見ろぢゃ、けけう」と啼いたような気がした。両親は,妙な気がしたが、そのまま嫁入り支度を整え、山姥のおりこひめを馬に乗せ、引き出そうとする時,また鶏が啼いた。「おりこひめをのせなえでやまはは(山姥)のせたけけう」と聞こえた。

 両親ははたと気がつき、山姥を馬から引きずり下ろして殺し、それからぬかや(物置)を見に行くと、娘の骨が散らばっていた。

 猫が啼いていると思われた父親の絶叫は、どんな風に聞こえたのだろう。怖い怖い。 

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