深夜、私の腕を何かがさっとかすめていった。ん? 暫くすると、また何かが、手の甲をかすめた。
あ、もしかしたら!
飛び起きて明かりをつけたら、ゴキがさささっと逃げてゆく。
天敵、ゴキブリの出現に悲鳴を上げながら、過ぎ去った跡をめがけ、殺虫剤を吹き掛けた。
しかし、こんなのは気休めだ。このまま明かりを消して就寝しても、きっとまたやってくるにちがいない。
そう思うと、眠りにつくのが恐ろしくなり、どうせ不眠症なんだしと、ナボコフの小説、「ロリータ」を読み始めた。
実は、これまで半分くらい読んだところだが、欧米の道徳文化をめぐるスーパー高度な知的ゲームといった趣の小説にもかかわらず、読んだあと、知的に興奮することがない。むしろ、心地よい眠気に誘われるので、こういう状態で読むにはうってつけだ。(一昨日は、中根千枝の「縦社会の人間関係」を読んで、おもしろいことはおもしろいのだが、何故か、「ロリータ」とは対照的に神経が苛立って、ほとんど一睡もできなかった)
そうして2、30頁ほど読んだころ、またしても「カサカサ」と音がした。
「来た!」
さっきのと同じ奴かどうかはわからないが、ゴキブリだ。
即座に殺虫剤を噴射した。今回は、見事に命中。
若干動きが鈍いような気もした。だとしたら、さっきのゴキブリで、ほんの少し殺虫剤がかかっていたのかもしれない。
ともかく、仰向けになって足をじたばたさせているところに、さらに殺虫剤をたっぷり降り注いだあと、「ロリータ」にもどり、5、6頁読み進んだところで、心置きなく、就寝した。
外はすっかり明るくなっていた。
あ、もしかしたら!
飛び起きて明かりをつけたら、ゴキがさささっと逃げてゆく。
天敵、ゴキブリの出現に悲鳴を上げながら、過ぎ去った跡をめがけ、殺虫剤を吹き掛けた。
しかし、こんなのは気休めだ。このまま明かりを消して就寝しても、きっとまたやってくるにちがいない。
そう思うと、眠りにつくのが恐ろしくなり、どうせ不眠症なんだしと、ナボコフの小説、「ロリータ」を読み始めた。
実は、これまで半分くらい読んだところだが、欧米の道徳文化をめぐるスーパー高度な知的ゲームといった趣の小説にもかかわらず、読んだあと、知的に興奮することがない。むしろ、心地よい眠気に誘われるので、こういう状態で読むにはうってつけだ。(一昨日は、中根千枝の「縦社会の人間関係」を読んで、おもしろいことはおもしろいのだが、何故か、「ロリータ」とは対照的に神経が苛立って、ほとんど一睡もできなかった)
そうして2、30頁ほど読んだころ、またしても「カサカサ」と音がした。
「来た!」
さっきのと同じ奴かどうかはわからないが、ゴキブリだ。
即座に殺虫剤を噴射した。今回は、見事に命中。
若干動きが鈍いような気もした。だとしたら、さっきのゴキブリで、ほんの少し殺虫剤がかかっていたのかもしれない。
ともかく、仰向けになって足をじたばたさせているところに、さらに殺虫剤をたっぷり降り注いだあと、「ロリータ」にもどり、5、6頁読み進んだところで、心置きなく、就寝した。
外はすっかり明るくなっていた。