パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

原油高騰の原因は?

2008-07-07 22:19:27 | Weblog
 フェデラーVSナダル戦を最後まで見てしまった。

 すごい、の一言。日没のため翌日再試合になるかと思われたとき、フェデラーが力つきた。夕闇の中の表彰式のドラマチックで美しいこと! 期待していたインタビューも、まあまあ悪くはなかった。フェデラーが、「また帰ってくる」と言って,インタビュアーが、「それをききたかったんですよ」は、同感。

 しかし、現在の男子テニス界は、二人の実力が抜きん出ていて、それ以外はみんな団子の背比べ状態だから、逆に言うと、錦織選手も準決勝までは充分に進出可能だったわけだ。頑張って欲しい。

 原油の高騰が続いているが、投機的取り引きの横行が原因の一つだから、規制しろという意見もあれば、投機は、先物市場で行われ、現物のやりとりがあるわけではないから、関係ないという意見もある。じゃあ、先物市場っていったいなんだ?ということで、例によってウィキ等でしらべたら大体次のようなことらしかった。

 たとえば、ある酪農家がいて、来年の飼料のトウモロコシが値上がりしそうだと懸念していたとする。酪農家は先物市場でトウモロコシを現状価格で1ブッシェル3ドルだとしたら、100万ブッシェル、つまり、300万ドル分を購入する。(ただし、現物のやりとり1年後であり、先物市場に払う金も、「証拠金」だけである。)

 1年後、トウモロコシの値段は見通し通り、1ブッシェル4ドルに値上がりしていたとする。酪農家は、300万ドルで買ったトウモロコシを売って、400万ドルの収入を得ることができる。差し引き100万ドルの利益が出たので、酪農家は、1ブッシュ4ドルのトウモロコシ100万ブッシェル分の買い物に、先物市場で得た利益を加えて、去年の1ブッシェル3ドルだったときの価格で手に入れることができることになる。

 このような、価格変動のリスクをさけるために設けられたのが先物市場だが、先物市場に払う金が「証拠金」のみでよいため、手持ち金額の何十倍もの取り引きを行うことができ、そのために一獲千金の投機目的に利用されることが多くなった。

 ということらしい。

 では、本来目的にしぼって、「証拠金取り引き」なんか廃止してしまえばいいではないかということになるが、そうではない。

 というのは、証拠金のみの支払いで架空の取り引きとはいえ、その膨大さから、トウモロコシならトウモロコシの、原油なら原油の「適正な価格」が割り出されるというメリットがある。

 「適正な価格」というものは、非常に難しいもので、ただ単に、費やした労働代金+原材料費で決まるわけではない。どんなに高い金をかけて生産しても、それを欲しい人が少なかったら、安い価格しかつかない。この価格メカニズムは、実際に市場に出してみないとわからないが、「先物市場」は、バーチャルとはいえ、そのための格好な場を提供してくれるというのである。

 というわけで、現在、原油価格を決めているのはOPECだが、実際にはこの「先物市場」の価格を参考に決めているらしい。

 だとしたら、現在の原油の高騰は、要するに、「原油が値上がりするだろう」という予測が明々白々であるため、実態もそうなっているのだということに過ぎないということになる。(投機家が買い占めているとか、そんなことはあり得ないが、世間一般はなんとなくそんな風に考えているのではないか。大正時代の米騒動だって,別に「買い占め」をしていたわけではなかったわけだし…詳しいことは忘れてしまったが)

 しかし、「過ぎない」と書いたものの、「原油の値上がり」の理由が、明々白々に中国だということになると、これまでの原油高騰問題とは少々質が異なるのかもしれない。

 まあ、あまり偏見をまき散らしてはいけないだろうが……たとえば、チベット問題は一服状態みたいだが、世界が忘れたわけではないとか、日本の長距離ランナーのホープが、中国合宿でウィルスに感染してオリンピックどころか競技生命すら危ないという新聞記事を読んだのはほぼ一ヶ月くらい前だったが、続報はどうなったんだろうとか……。

 中国の影響力が増すことはやむを得ないにしても、中国が世界を支配するようになったら、即、地球は終わりだという認識(いや、本当にそうだと思う、あり得ないけど)を、ぜひ、G8の首脳が共有すべく、福田首相に説得を期待……できるわけがない。