活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

成長優先が招いた貯蓄の減少

2011-01-27 19:08:01 | Weblog
09年11月末の単身世帯を除く、世帯あたり平均貯蓄残高は1521万円だったと総務省が発表した。04年の前回調査から35万円減っているという。調査開始以来、初めてマイナスに転じたことも分かった。

景気低迷による給料等家計収入が減り、預貯金の取り崩しを余儀なくされた結果だとマスコミは解説している。それだけではあるまい。いつまでも続くゼロ金利政策のため、利子収入が失われていることの影響も大きい。

失われた利子収入が拡大する一方、大企業は空前のカネ余りに狂喜している。大企業の内部留保金額は09年度末244兆円で、08年度比11兆円と増加していることでもよく分かる。わずか1年で、これだけの積み上げである。手取給与を減らされた上に、ゼロ金利政策のおかげで取り崩した預貯金が、大企業に全部吸い上げられた計算になる。

この歪んだ構造がわが国経済の実態である。小泉自民党政治がこれを主導した。国民の負託を受けて誕生した民主党も五十歩百歩である。両党とも国民の生活より大企業・資本家に貢いで、その見返りを期待する「物乞い集団」である。

現政権の菅民主党は小泉政治を踏襲しているため、世相はいっそう昆屯の度が深まっている。財務省に洗脳されたあげく、消費税を上げると妄言まで言い出した。

菅民主党政権は大企業がため込んだ内部留保を放出させる努力を怠り、さらにため込ませようとして、法人税を下げることを経済界に約束した。経済成長を大義名文にして、格差を一層助長させる政策を進める菅政治は、国民共通の敵と言っても過言ではない。