活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

労政審  熱意ない労働側委員たち

2010-03-17 18:33:53 | Weblog
政府は労働者派遣法の規制強化を政権公約にしてきたが、多くの抜け道を経営側に用意していた。製造業派遣を原則禁止するという国民との約束が反故にされるかもしれない。

それは1年以上雇用される見込みがあれば、製造業への派遣禁止の対象外にしていることである。これにより国民が求めていた製造業への派遣禁止は、事実上骨抜きにされるおそれがでてきた。

政府は派遣法を改正するにあたり、自公政権時代の労働政策審議会(労政審)の答申に沿った内容で法案を通すことを考えている。しかし、この答申を通してはいけない。自公政権が経営側に有利になるよう、労政審に恣意的ともいえる人選をしていたからだ。

政権交代を果たした民主党が自公政権の遺した労政審メンバーをそのまま継承することは、自公政治の国民への押しつけである。労働側委員も連合会長始め、大手製造業労組委員長らが名を連ねているが、経営側におもねる「労働貴族」の集まりといっても言い過ぎにはならない。

世界経済危機では多くの製造業で派遣切りが行われたが、彼ら労働貴族たちは経営者に同調するだけで、派遣労働者を救うことさえしなかった。これでは派遣法改正に携わる資格などどこにあろうか。

経営側と同じ論理で都合が悪くなれば、派遣切りに加担する労組幹部が労働側委員とは聞いてあきれるばかりである。

派遣法改正が「公使」側に主導権を握られ、遅々として規制強化が進まないのは労働側委員たちに熱意が感じられないことと怠慢のせいである。労働側委員には、もう少しまともな人たちを選ばないかぎり、弱い立場の派遣労働者を窮地から救えない。