さて、英語の語彙数は現在使われているだけでも40万語ぐらいあり、かつて使われていて、現在は死語になっている言葉も合わせると、オックスフォード・コンサイス・ディクショナリーの前書きによると、なんと1億語!に上るそうです。
日本列島と違い、ブリテン島は侵略と奪回の歴史を繰り返してきたので、土着ののケルト語、アングロ・サクソン人の侵略によるアングロ・サクソン語(古英語という人もいる。)、ノルマン人の征服によるノルマン語(フランス語の祖先のようなもの)、ノルマン人の征服から奪回してアングロ・サクソン語の復活、はたまたルネッサンス以降の文化の発展に伴い、表現する語彙の不足からラテン語やギリシャ語からの借用など、ありとあらゆる言語が入り混じり、しかも並立して現在でも使われていたりします。
たとえば、ask と question, wish と desire などです。前者はアングロ・サクソン語系、後者はノルマン系(フランス語っぽい)です。
語彙数が多いうえに、発音と綴りが一致せず(難しくは母音の大移動といい、は近世の印刷機の発展以降、発音は変化したのに綴りは固定的だったのが原因)、綴りに規則性はあまりなく、一語一語綴りを覚えなければならないほどです。英米人でも、初期のアルツハイマー症でさえ、全く単語が綴れなくなるそうです。よく日本人は、中学、高校で6年、大学に進学した人は8年ないし10年 正規の英語教育を受けているのに、英語が使えない、と自らを悲壮に責めたりしますが、日本語と全く異質の上、語彙数も異常に多く、発音と綴りがてんでばらばらの英語が使えないのは全く当然のことで、大手を振って英語は出来ない、言ってもいいのです。僕は日本人にとっては英語は世界で一番難しい言語だと思っています。続きはまた次回。
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