先週後半は台風の余波で茨城県、特に常総市は大変なことになっています。また東京でも土曜日(9月12日)の午前6時前、かなり強い地震があり、目が覚めました。異常な気象や現象が続いています。
さて、先週の記事で、日本の会社の会議は根回しにエネルギーを注ぎ、会議自体は始めに結果ありきの報告会のようになっていて、報告会であればなにも沢山の人数が一堂に集まる意味はなく、関係者に結果報告をメールで配信すればいいだけのことだ、という趣旨のことを書きました。
しかし、まだ長幼の序や年功序列、和をもって尊しとなす日本の、特に規模の大きな会社では、上位者や年長者が大勢いるような会議で、入社間もない若手社員が積極的にたとえ上司と意見がちがっていても、積極的に発言する、という環境にありません。
若い人を責めるのではなく、若い人が積極的に発言すると、協調性がないとか、生意気だとか言われかねない空気を僕達年長者が作ってしまっているところがあります。日本のオヤジ世代はやたら威張っていて自分の地位や威厳を守ることに汲々としていますからね。
そうして若い人はだんだん本音を出さなくなってきています。(しかし、最近の国会前の若い人たちを中心とするデモなどは久々に若い人の本音が出た珍しいケースだと思います。)
また発言すれば当然自分の言ったことには責任を負わなければならないので、責任を負うことはイヤなため、発言しない若い人もいます。自由とは好き勝手にやることと同義ではなく、自由と責任は表裏一体の不可分な関係です。自由競争とか自由学習には自由はありますが、結果もまた自分で責任を負わなければなりません。だれしも好き勝手やるだけならこんな楽なことはないわけですから。
長幼の序や和をもって尊しとなす、というのは日本の伝統的な奥ゆかしい文化ではあります。
が、こと常に新しい付加価値のある製品やサービスを提供していかなければならない会社、企業においては、著しく革新とスピードを欠く結果ともなります。例えば僕が運転免許を持っていないと仮定して、20 歳代の人と、よーいドンで自動車学校に通えば、まず間違いなく僕は20歳代の人の2倍以上の時間がかかるでしょう。新しいことを掴み、吸収するスピードは、若い人が断然優れています。
会計用語で減価償却という言葉がありますが、僕達中高年は、年とともに価値が下がる中古品で、残存簿価はほとんど残っていないかもしれません。
一方伝統や文化(会社の中では企業文化や企業風土、マナー)といった、醸成に長い時間を要するものは、長く社会人を経験した中高年のほうが、一日の長があり、若い人に教えていくべきでしょう。
とりとめのないことを書いてしまいましたが、中高年は、長い時間かけなければ醸成されないことを、威張ったり、建前の権威を振りかざすのはなく、心を開いて本音で若い人に伝えていく、若い人はマナーは守りながらも、自分が感じ、よいと思う新しい、斬新なアイディアを臆せず本音で発言することが、win ー win のあり方で、会社や企業を全体で押し上げていくのではないでしょうか?