5 月の TOEIC IP テストを受けるかどうか、決心もつかぬままに、ぼちぼち以前買った 『 新 TOEIC TEST パート5 特急 400 問ドリル 』などを少しづづやり始めています。
僕が思うに、英語上達の秘訣を一つだけ挙げよ、と言われれば、『 続けること 』 だけだと思います。効率的なやり方やノウハウものが蔓延していますが、アプローチにはそれほど大差はないと思います。
しかし、新しモノ好きで飽きっぽく、根気よく続けることが性格的に合わない僕にとっては、英語の学習、特に TOEIC に向けての学習は、『 解答技術を高める訓練 』のようで、あまりモーチベーションが高まりません。
そりゃそうで、英語の語法や文法が毎年変わっていたら、コミニケーションの道具としての意味をなさなくなりますので、目新しいことや、革新的、創造的な要素はほとんどなく、既知の語彙や文法や語法を繰り返し、繰り返し反復して身につけていくしかありません。
某会社のように、『 TOEIC 900 点以上取ったら報奨金 100万円 』というような強烈なインセンティブがあれば、元来大阪人で、銭に貪欲な僕などは、『 解答技術を高める訓練 』であっても、とたんにモーティベーションが上がるのですが。。。
ということで、TOEIC の学習はすぐ飽きてしまい、すぐに息抜きが必要となります。
さて、英語の辞典は皆さんも何冊かお持ちでしょう。また頻繁に辞典を引く機会もあると思いますが、これほど味気ない本はないですね。始めから終わりまで通読するのは、植山一三先生のような根性と英語に対する驚異的な情熱のある方だけで、僕にとっては電話帳がわりでしかありません。また最近は辞典を引くのもめんどくさくなってきました。
しかし、中には息抜き、気分転換に役立つ、読んで楽しい(?)辞典もあります。
和英辞典的には、松本道弘さんの 『 最新 日米口語辞典 』が秀逸だと思います。
読み物としても面白い。この辞典は、英語には全然関係ありませんが、福岡伸一さんの書いた、『 生物と無生物のあいだ 』にも登場します。
この本は数年前にベストセラーになった本で、読んだ人も多いかと思います。生物化学の専門家からは辛い批評となっていますが、専門書としてではなく、エッセイとして読むならば、非常に面白い本で、まだ読んでいない方にはお薦めの本です。
この 『 生物と無生物のあいだ 』 に unsung hero という言葉が出てきます。直訳すると賛美されないヒーロー、( sing には歌う、という意味から派生して、賛美するという意味もあります。) ということですが、影の功労者や、縁の下の力持ち、といった意味です。福岡さんはこの言い回しを『 最新 日米口語辞典 』から見つけた、と書いていますが、unsung hero とは中々言い得て妙です。
縁の下の力持ち、などという日本語は、短い表現で翻訳するのは難しいですからね。
これがきっかけで、『 最新 日米口語辞典 』を買ってみましたが、表現が難しい日本語を英語で上手く表現している記述が満載です。
たとえば、(名声に)あぐらをかく、という英語は中々パッと出てきませんが、
rest on one's laurels というような。
Laurel は勝者に与えられる月桂冠でその上で一休みしている、というわけです。
この辞典は、日米口語辞典で、日英口語辞典ではないことと、初版が 1977 年と若干古いことが気になりますが、松本先生の代表作、といってよいと思います。
もう一つ、英和辞典的には、『 新編 英和翻訳表現辞典 』 があります。
これは、英語表現をどう上手く日本語で表現するか、の実例を伴った集大成です。『 最新 日米口語辞典 』に劣らず、読み物としても面白いです。
よく、英文を和文に翻訳したり、和文を英文に翻訳したりするときに、英和辞典や和英辞典から単語をそのまま引っ張ってくるのは危険だといいます。
僕も全く同感です。下手をすれば、ただの単語の羅列になり、読み手には全く通じない文章になる可能性があります。
その点、これらの 2つの辞典は、日英の語感、文化や風習にまで踏み込んだ解説が面白く、気分転換の読み物としても十分楽しめます。
それなりに値も張る辞典ですが、3 ~4 年は楽しめ(?)ます。
さて、ちょっと息抜きして、また TOEIC の学習をぼちぼち始めますか。