私たち衆生は、自分を悩ましたり困らせているのは、
何か自分以外のものから「縁」を与えられて、それによって
腹を立てたり、感情の起伏が激しくなっているとしか考えられない
ものです。
しかし、実はそういうものは全部自分自身が造っている
ということなのです。「因果一如」なのです。
したがって、「自分自身」が「自分の問題」として解決
しない限りは、絶対に怒りの心や善悪の心がなくなるもの
ではありません。
自分で認めて、認めたものによって自分自身がさまざまな
「感情」を起こしているのです。
ですから、「修行」によって自分自身で見極めていく必要が
あるのです。
そうでないと、「安心(あんじん)」は有り得ません。
「すべてワンマンショーをしている」というのは、そういうことです。
自分と自分以外のものを別にしてみると仏道の「道」には
なりません。
一般に「柳は緑、花は紅」という禅語がありますが、
柳が緑になる以前、花が紅になる以前の状態が必ずある
ということです。
そういうことを知っていただかなければなりません。