活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

因果を考える2

2017年02月15日 | 法理

「宇宙」 は働きです。

働きが出て来て、千差万別になってきたものが

「法」 です。

 

そこに小さなものが生まれたのではありません。

「宇宙」 がきて小波となって押し上がった時、

波というものが別に出来たのではありません。


波はいわゆる大海が風の縁に触れて、ただ高くなった

だけです。

出来たのではありません。


波は無くなった処が何処へも行きはしません。

水は少しも殖えもしなければ、減りもしないのです。

「不生不滅」 です。

 

宇宙の因縁生によって生じ、因縁滅によって滅するのです。

生ずるのは因縁の生ずるにして、実体のあるものでは

ありません。

 

滅するのは因縁の滅するにして、実体があるのでは

ありません。

 

実体がなければ 「宇宙」 です。

みな不滅なのです。

 

生まれては生まれたままに 「宇宙」 を占領しているのです。

不生はいつまでも不滅です。

「不増不減」 です。

 

死んだら死んだままに 「宇宙」 を占領しているのです。

波の出来るのは世界の水が高くなったので、

波のなくなったのは世界の水に帰するのです。

 

「如」 という言葉がありますが何時までも変わらないのが

「如」 の真意です。

 

水なるものは、依然として存在しているのです。

「似たり」 という言葉の真意は実体がないことです。

これは 「不滅」 です。

 

滅して大海に帰するのです。

滅して 「宇宙」 に帰するのです。

 

「宇宙に帰する」 というと、何だか帰する処があることを

認めるようですが、元来帰する処はないのです。

 

そのものが 「宇宙」 です。

帰する処が別にあるのではありません。

始めよりすっかり 「宇宙」 を我々の全自己としているのです。