おシャカ様は自分が根底まで落ち込まれている時に
「夜明けの明星 」をご覧になって悟られました。
一体どういうことかというと、人の見解(けんげ) らしいものも、
何もないまでのところに落ち切られた、その時にただ 「夜明けの明星」 が
「チカッ」 と目を射たのです。
そのとたんに、「ポッ」 と 「認識(人間従前の一念心)」 が起きたのです。
「心(認識)」 というものが活動を始めたのです。
始めたとたんに、それまでの見解(けんげ) から離れている世界、
即ち 「今の事実」 「今の自己の様子」 に気が付いた (目醒めた) のです。
そのまま気が付いたのです。それで驚かれたのです。
「なぁんだ、人間(にんげん)の迷いというのは、この “一念” において迷っていたんだ」
ということが、はっきりしたのです。
そこに救いがあるのです。
それは、ただおシャカ様のみではなく、おシャカ様の下に「迦葉(かしょう)」
という人がいて、そのおシャカ様の教えに従って、それを行じて、
その 「自覚」 を得られました。
それが、ずっと今日まで伝わってきているのです。
誰でも修行(今の事実に徹する)すれば、それが自分にきちんと「自覚」出来る、
そういうはっきりした 「道」 をおシャカ様はお示しになったのです。