活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

事実のままに 2

2016年03月18日 | 

「波そのもの」 に成れば、波それ自体は自分が動いているということには、

自分自身は気が付きません。

 

難しいことではありますが、自分が波に成ってみる必要があるのです。

波に成れば、彼岸(彼の岸)というようなものはありません。

ですから、彼岸ということを取り違えると大変な間違いになるのです。

 

「波」 に成って下さい。

不安のままの状態に。 焦りのままの状態に。

落ち着きのないままの状態に。

 

自分がいかにそういうものに成り切れるか、ということです。

それが、「そのものの事実」 ということです。

 

決して、自分自身の心を費やして、「波」 を抑えようと思ってはいけません。

そこに多少の時間というようなものが必要ではありますが、

そうでなければ、「絶対の安心(あんじん)」 というものは、ありません。

 

私たち衆生の「今の状態」 というのは、みんな 「自分の事実の上」 に

立っているではありませんか。

 

その事実を、事実のままに、静かに自分のものにする、という

そういう修行が 「禅の修行」 なのです。