「目と物の関係」 とは、本当は、物があって目があれば
それは映って見えるだけのはずです。
それも、見た時にその事が見えて、そこから目を離したら今まで見ていた物が
見えなくなるような働きをしている 「事実」 です。
それは、何でもない事のようですが凄い事なのだという事に気が付いて欲しいのです。
これが考えだと、何が気に入らない事があれば、引っ掛かって残っているために
心が悩むのです。
「目の働き」 というものは、そういうことを見事にクリアーしています。
嫌なものでも、見たくないものでも、向かえば確かに見えます。
でも、そこから離れた途端に厭だ、嫌いだと思う様なものさえも
無くそうとしなくても、どこにも無い、目はそういう働きをしています。
これは一体なんだろうという事です。
問題の起こる種さえ無いのです。
しかし、頭の方で考えると、一回見たもの、朝あった事などがいつまでも
残っているのです。
それがもう一方の生活です。
ですから、「目」 に学んで頂くと、それが嘘であるという事が証明されるはずです。
「目」 という一つの例を挙げましたが、この体でやっている事を見てみると
考え違いをしているのがよく分かっていただけると思います。
自分の生活をこの体の上で見てみる必要があるのです。
目でも耳でも鼻でも口でも、働いてもらっている事は、
人間(にんげん) の考え方では無い、体その物の生活(働き) です。
目が物を見て怒った事がありません。
耳が物音を聞いて腹を立てたことはないのです。
口は愚痴をこぼしたことはありません。
皆、考え方 (思惑、各人の我見) なのです。
考え方 (思惑、各人の我見) が色々問題を起こしているのです。
そこが「目と物の関係」、即ち、物事を学ぶ基本だと思うのです。