▼東京都知事選は,田舎暮らしの人などまったく関心ないように思われているが、実はそうではない。現在の日本格差社会を取り巻く、あらゆる問題の元凶になっているのは、一極集中と過疎化の問題であるからだ。この問題は、単純に言えば、富める地域と貧しい地域を生み出しているからだ。憲法に保障されている基本的人権など、都会と地方では平等などという言葉など、どこにも見当たらないのだ。
▼まず決定的な格差は、交通網の整備だ。都会の便利さは、地上・地下問わず整備されすぎているではないか。それに比べ過疎地は、頼みのJRも不採算路線は問答無用で廃止し、地域の足と言われる路線バスさえ、いとも簡単に廃止されている。東京の便利さを支えているのは、福島原発の電力の供給によるものだ。それなのに、福島の復興を東京は真剣に考えているのだろうか。地方交付税不交付団体なら、お世話になっている、福島のために、毎年100億や200億円の福島復興財源を提供しても、罰が当たらないのではないかと思う。
▼だから、田舎に住んでいる私は、東京都知事選が最も気になる選挙なのだ。率直に私の考えを述べてみたい。私は世界の大都市東京の知事は、女性の小池さんでいいと思う。「女性が世界で一番活躍でき、女性が輝く都市をつくりたい」「きめ細やかな女性の視点で、子どもたちや老人が、安全で安心に暮らせる豊かなまちにしたい」「男性に変わって、女性の感性を発揮し、美しく光り輝く世界をリードするまちにしたい」などのメッセージを発してみたらいかがだろうか。
▼自民党都連が、元総務大臣の増田さんを推薦したい意向のようで、増田さんなら民進党も相乗りする可能性もあると言われている。だから男の発想では、もはや東京も日本も、進歩発展はないのだ。小池さんは自民党が推薦しないなら、無所属でいい。都民の女性パワーを総結集すればいい。民進党も、増田さんと小池さんの二人が立てば、票が分かれるので、野党共闘で長島さんで勝てると見込んでいるらしいが、そんな、姑息な後出しジャンケン勝負でではだめだ。
▼私は今回の都知事選は、与党が小池さんで、野党は真面目な岡田(民主党党首)さんの一騎打ちを望んでいる。これが日本を、いや世界を代表する東京の知事選にふさわしい戦いだと思う。私が都民ならどちらを選ぶだろうか。この二人なら、2020年のオリンピックを契機に、我が国の未来に展望が開けそうで、どちらを選んでいいのか心底迷いそうである。こんな有権者をドキドキさせる東京都知事選を期待したいものである。
▼目の前の参議院選、憲法改正が争点だと思うが、まったく盛り上がっていないようだ。これでは与党の圧勝に終わる可能性もある。野党の体たらくがもたらす、最大の汚点は、立憲主義の崩壊である。それなら、野党の最大党首である岡田さんに、せめて、東京都の知事だけでも、奪還してもらいたいからである。
▼取り留めもない話になったが、多感な青春時代、田舎者の眠った感性を目覚めさせてくれた東京に、今でもかすかなあこがれを抱き続ける、田舎暮らしの団塊世代の、都知事選に期待する切なる思いである。
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