カメラといっしょ★

地元福岡~イタリア留学からワーキングビザ取得しての海外生活を写真で綴るつれづれ日記

きれいなシンガポールとマー君の呪い

2010-09-23 23:12:23 | └・海外旅行
イタリアへ出発する。
早朝なのに見送りにきてくれた
大好きなお友達たちと空港で朝食。
 
福岡空港国際線にあるロイヤルのミニカレーパン。
当分日本を離れるのだから和定食とかにすればいいのに
最後の最後までカレー好きな私。
でもこれ、揚げたてあつあつで
もっちりとした皮と
とろりとほどよく辛いカレーがとってもおいしい。
カレーパンって立派な日本食だと思う。

窓の外を「嵐ジェット」が飛んで行く。

イタリアに行くのに、ちょっと街まで買い物に行く感覚で
じゃあね、またねと手を振る私。
長い人生、嫌になるほど出会いと別れを繰り返して来た。
中には胸がひきちぎられるような別れもあった。
でもだからよく分かる、
今ここで手を振って見送ってくれている友達とは
必ずまたすぐ会えるって。
会えない時間もずっと友達でいれるって。
だから私は安心して旅立って行ける。
本当にありがとう!いってきます!

しかし、ちょっと買い物に出かける感覚ってったて
地球を半周するのだ、イタリアはそんなに近くない。
今回は福岡→シンガポール→ローマと実に30時間をかけて行く。
気が遠くなりそうだけど、ま、急ぐ旅でもなし。
 
今回はシンガポール航空。
機内サービスのドリンクにシンガポールスリングがあった。
さすが!
もちろんエコノミークラスだけど
他の機より若干席がゆったりしてるように感じる。
CAさんも美人だし、なかなか快適。
 
機内食は最後にありがたい日本の味。
しっかりいただいたら、あとは
大好きな「特攻野郎Aチーム」の映画とドラマを見て過ごす。

ほどなくシンガポール。
ここで乗り継ぎの待ち時間約9時間。
人が嫌う待ち時間だけど、私には楽しいプチ旅行の時間。
どうしても人に預けられない写真機材一式10キロ超ある荷物を担いだまま
シンガポールの街までぶらり旅。
空港から、MRTに乗って移動。
車窓から見える町並みは
きれいに整備された緑の道路とマンション群。
へぇ、なんか近代的で暮らしやすそう。

街の中心の駅で降りてベイサイドへ向かう。
さて写真を撮ろうとカメラを出したら一気に結露。

ひゃあ~、やめて~!湿気はカメラの大敵なの!
時折降る霧雨のせいか湿度が高いだけなのか
じっとりとした空気がまとわりつく。
 
怒るように空にそびえ立つ高層ビル群
そこに立つと何かに重く圧迫されるような気分になる。
  
 
美しい声で鳴く鳥、色濃く鮮やかな草花、整然とした街並
一見きれいなこの街の底をぬめりと流れる濁った川
一体この国はどういう国なんだろう。。
 
シンガポールと言えばとりあえずはマーライオンだろうと
地図を片手にベイサイドへ向かって歩く。
 
わ、なんじゃありゃ。
空に船が、いや島が浮かんでる。

あっちの方がベイサイドとは分かるのだけど
地図の通りに歩いても柵に阻まれてなかなかたどり着けない。
???なんなのこの街!!
柵にぶちあたってはぐるぐると歩いているうちに訳がわかった。
どうやら街中がシンガポールグランプリとやらのカーレース会場になってて
その会場部分には立ち入れないように柵で囲われているのだ。
おかげで私はマーライオンにたどり着くまでに大きく迂回しなくてはならない。

まとわりつくような蒸し暑い空気の中、
10キロ超のバックパックの重みに体はきしみ
歩くごとに胸が苦しくなる。
でも私の行く手を阻む物はたとえレーシングカーだって許さないもんねって
意地になって歩いた。
 
ようやくベイサイドについた。
まるで万博会場みたい、作られた近未来的な雰囲気。

ようやくマーライオン発見。
確か小さいのと大きいのがいるって聞いたけど。
はて、大きいのはどこにあるのかな?
ぐるっと歩いたけど、どうもここが行き止まり。
って事はキミがマー君?
そっかぁ、「世界三大がっかり」の噂に違わぬお姿拝見。
マー君は今日も一生懸命、放水しておりました。

すぐ裏に小さいマー君も発見。
モザイク造りで繊細で少しばかりゴージャスな感じ。
こちらもちょろちょろと放水中。

とりあえずシンガポールの主にご挨拶もできたし
さて、次はどうしよう。
蒸し暑い中荷物を担いで歩いたから体は熱く、のどもからから
まずはお茶休憩だと、日本にもたくさんある有名な某シアトル系コーヒーチェーン店で
フラペチーノを飲んで体を冷やす。
あまりに喉が渇いていたので一気飲みして逆に体が冷えすぎたかも。

ほっと一息ついてまた街を散策。
どうせ遠回りするなら楽しまなくっちゃ。
  

それにしてもすごい街。
立ち並ぶ近代的なビル、行き交うパワータイを絞めた西洋人のビジネスマン。
一体この街は何を飲み込もうとしているのか。
 
  
リバーサイドに残された飲食街は
まるでテーマパークのそれみたい鮮やかで
どこにも寄らない虚しさを浮かべている。

街をレース会場よりもさらに大きくぐるりと迂回して
どうしても見てみたかった「プラナカン博物館」へ
 
プラナカンとは混血の人々の事。
シンガポールは中国、マレー、インド、イスラムと
たくさんの民族が集まった国。
その中で混ざりあい生まれた文化は
パステルカラーと可憐な刺繍に彩られている。
その色合い、鳥や花のモチーフは
なんとも愛らしく幸せに満ちているように見える。
一体どういう人々でどんな生活文化だったんだろう。
とても興味がある。

博物館に入ったら、あと30分で閉館で
ここはとても広くて見きれないから
明日ゆっくりおいでと言われた。
でも今日発つし、30分でもいいからどうしても見たいと言ったら
サービスでチケットをくれた。
急ぎ足で見て回る。

館内はプラナカンの人々の誕生日からお葬式までを
順を追ってみれるように展示されている。
とてもきちんとしたしきたりがあり
裕福だった事が伺える。
もっと知りたかったけど、じっくり解説を読む時間もなく
とりあえずデザインや色を目に焼き付けて博物館をでた。

しかしどうもさっきから胸のむかつきが収まらない。
先程から荷物の重みと暑さで偏頭痛もしてきたと思ったけど
どうも、これはなんかヤバイ気がする。
本当はこのあと街の屋台でご飯食べて
シンガポールのお菓子も食べる予定だったけど
そんな場合じゃないかも。
なんとなく身の危機を感じてまず空港に戻る事に。

とうとう頭を上げるのも辛くなったけど、
最後に1枚撮ったシンガポールの夜景。
それはまるで千夜一夜物語のように妖しく浮かび上がる。
くそぉ~、もっと写真撮りたかった。

今にもひっくりかえりそうな内蔵を抱え空港に戻る。
幸い足だけはまだしっかり歩いてくれている。
そして空港で、私がマーライオンになることになる。
何が原因かは分からないけど、思い当たるのはフラペチーノ。
ああ、出発の時友達に、生の果物、氷の入った飲み物もダメよと注意されたのに!
プラペチーノって氷じゃん!ああ、私のバカ!!
日本でも見慣れたロゴマークについうっかり気が緩んでしまった。
いや、でも有名チェーン店でそんなことあるのか?
もしかしたら、世界三大がっかりなんてばかにしたから
マー君に祟られたのかも。ごめん、もうバカにしません。

あまりにも具合悪そうに待合室でうずくまっていたらとうとう係の人に見つかり、
具合悪い人は飛行機には乗せられないと言われ、
必死に大丈夫なふりをする。
こんな所で強制送還されてたまるもんか、私はイタリアに行くんだ。
体の中の悪い物はぜんぶ出して、どうにか体制をたてなおし、
ただの飛行機酔いだ、もう良くなったって笑顔を振りまき
必死の思いでローマ行きの便に乗り込んだ。
ふぅぅぅ~、あとは飛行機が私を運んでくれる。

体力を使い果たして、ぐったりしていたので
いつもは眠れない機内もうとうとと眠りながら過ごす。
少し眠ったらもう体調もすっかり良くなっていた。
そうとくりゃガツガツいただく機内食のシンガポール焼きそば。

んん~、それにしてもなんだったんだろう。。
やっぱりマー君の呪いだろうか。
でもま、ひとまず良くなってよかった。

これから始まる長い海外生活に
不安と期待は今私の足下にある雲のように
低く白く静かに輝いているのでした。

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2 Comments

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Unknown (ケンソゴル)
2010-09-28 19:17:00
 あぁ・・なんてこの世は美しいのだろう。あなたの撮ったイタリアの写真を見てそう感じます。いつか行ってみたい。ピザを食べ、日がな一日海をながめていたい。そこに行かなきゃ死ねないとおもいました。そんな写真を見せていただきありがとうございます。

 そのイタリアにまた行かれたのですね。若い人には失敗してもやり直す時間と体力があります。あっちにぶつかり、こっちにぶつかり。そんなふうに失敗をおそれず、自分の信じた道を歩んでほしいとおもいます。答えをさがしてください。きっと次に帰国するまでに、たとえ人には見えないかもしれないけれど、おおきな実りを収めることができるでしょう。

 岩もあり 木の根もあれど サラサラと 
ただサラサラと 水の流るる 

 つらいときにつぶやく、わたしの好きな言葉です。以前ラジオで紹介されたものです。
 人は人生という旅路でさまざまな障害に遭遇します。だれもそれを避けることはできません。歩みをとめることも、あと戻りもできません。
 山に降る雨は小川となり、小川の水は、横たわる岩や突き出た木の根にぶつかりながらもサラサラと、ただサラサラと流れ、大きな川に流入し、やがては海に至る。
 そんな川の流れのように生きてゆきたいとおもっています。
 Makeruna!Oryo!!
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コメントありがとうございます!! (sweet cacao)
2010-09-29 18:26:15
また行ってきます。
今度はどんな景色に出会えるのか
まったく分かりませんが
でも今はただ楽しみです。
旅を経て、少し強くなったのかもしれません。
いつも見て頂いてありがとうございます!
がんばりますね!
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