カメラといっしょ★

地元福岡~イタリア留学からワーキングビザ取得しての海外生活を写真で綴るつれづれ日記

美しきアッシジ

2010-04-10 22:37:10 | └☆イタリアぶらり旅
1週間あった復活祭の休日ももう終わりの土曜日。
私は昨日遅くにパリから帰って来たばかり
友達もフィンランド旅行に行って来たばかりだけど
土曜日、天気が良くて元気だったら行こうねと言っていたアッシジ。
天気もよく元気だったので出かけてみた。
 
アッシジ駅についたけど町はもっと遠く山の上
まるで仙人が住む町みたいに遠く霞んで見える。
そこまでバスに乗って、のどかな田園風景をぬけて行く。

アッシジは清貧の聖人フランチェスコの町。
富豪の放蕩息子だったフランチェスコはある時、信仰に目覚め
以来、いっさいの資材を投げ打ち
この地でただひたすらに信仰を身を捧げた。
信仰に対する姿勢はあまりにも熱心で
しまいにいは小鳥にまで説教をしたという逸話が残っている。


緑豊かな小高い丘を上り詰めた所、
その上にある小さな町がアッシジ。
 
 
アッシジの町はこの地方で採れる薄いピンク色をした石で作られている。
だから石造りでも、町全体が柔らかく温かな印象を受ける。
 
 
折しも春。緑萌え、花は咲き、鳥は歌う
やわらかな光をあびてこの町はさらに穏やかな空気に包まれている。
なんて感じのいい町なんだろう。。

町を散策する前に、まずは腹ごしらえ。
 
裏路地にある素敵なレストランに入った。
あたたかな春の日を楽しめるテラス席に着く。
  
左は黒トリュフのブルスケッタ。
口の中いっぱいに黒トリュフの香りが広がる。
パスタをどれにしようか迷っていたらハーフ&ハーフにしてくれた。
野菜たっぷりの自家製パスタは野菜の味わい深いおいしさ。
奥はお店の名前を冠した一押しメニュー
きのこの風味豊か、かなりコクのあるしっかりした味。
天気もいいし、ごはんもおいしいし、
こりゃぁ、ワインが進んじゃいますね。

あ、もちろんデザートも。
チョコレートタルト。
さくっと甘いタルト生地に、たっぷり甘いチョコレートソースが
甘党の私にはたまらないおいしさ。

満腹、満足。アルコール燃料も搭載して増々に快調。
さてと、町をぶらり散策しますか。
 
 
入組んだ小さな路地は昔絵本で読んだ童話の町みたい
どの建物も淡いピンク色ですっごくかわいい。
 
そうだ、あの丘の天辺にあった城壁みたいな所に行こうと
インフォメーションでもらった地図をたよりに上り始めた。
 
 
頭上で鳥がさえずり、足下で花が風に揺れる。
なんて心地よい。
あたたかい春の陽を浴びて開く花びらのように
心もふんわりとほどけるように開いていく。
心地よさに身を任せていたら
なんだか自分が半分自然に溶けている気がした。
そろそろ私も小鳥と話せるかも。
なんて、そんな話をしては友達と小鳥みたいに笑い合う。
 
ちゃんと地図通りに行ったはずだけど
まるで獣道みたいな山道をようやく上がって
頂上のマッジョーレ要塞に到着。
 
うわ~、なんて見晴らしいい!
眼下に広がるトスカーナの大地は今まさに春に萌えている。
きれい!
がんばってここまで上って来たかいがあった。
要塞を背に3方向がぐるっと見渡せる。
それぞれの方角をまわってみる。
 
こちらは町並みが見下ろせる。
淡いピンク色の町が緑の大地に映えてなんてきれい。
 
あ、こっちからは聖フランチェスコ教会が見える。
 
えっと、こっちには特に何もない。。
って言ったら、
ちょっと!感動の心を失っちゃだめだよって友達に注意された。
するどいつっこみがバシッと決まって、おかしくて、お腹を抱えてふたり笑う。
そう、何もないわけはない。
美しいオリーブ畑がひろがっているではないか。
景色が美しい事が当たり前になってしまっていた。
慣れってこわい。

見慣れてもやっぱりかわいい薄紅色の町を下る。
 
 
  
あれ?さっきはあんなにがんばって山道を上ったのに
案外スムーズに町の坂道を下って来た。
もしやこっちが要塞への正規ルートだった?
ま、でもおかげでたくさん自然にふれあえた。

町を下って、さっき眼下に小さく見えた聖フランチェスコ教会に着いた。
 

この教会がとっても大きい。
中に入るとまたさらに広い事に気付く。
これが清貧???と思ってしまう立派さ。
んー、宗教の事は良くわからないけど
でもたぶんこれは聖フランチェスコの意にそったものじゃないんだろうな。
きっと何か色んなことがあるんだろう。
イタリアの守護聖人でもあるフランチェスコの教会だから
ミサの出席者も多いだろうし、必要でこんなに大きいのかも。

中にはフランチェスコの生涯を描いたフレスコ画が多く残る。
帰りのバスの時間も迫っていたので
ひととおりさっと見て回って出ようとしたちょうど出口に
ガイドブックにも載っている有名な「小鳥に説教する聖フランチェスコ」の絵があった。
さっき、そろそろ私も小鳥と話せるかもって言って笑い合ったのを思い出して
思わず吹き出してしまった。
しまった!神聖な場所で吹き出すなんて不謹慎なっ。
失礼しましたと慌てて教会を出た。

 
帰りのバスを待つ間、ジェラートを食べて
日差しを浴びて乾いた体を潤す。
一日中歩いて疲れたはずだけど
なんだか逆に凝りがとれたような気もする。

きらびやかではない、何があるわけでもない
でもこの町はとても美しい。
自然に囲まれ、穏やかで、やさしい光に満ちている。
ここにいると何か許されているような、とても癒される町。

友達と一緒にたくさん笑ってとっても楽しかったプチ旅も
傾き始めた春の陽に背中を押され、家路についたのでした。


(ランチを食べたお店)
■Ristorante Buca di San Francesco
Via E.Brizi,Via A.Cristofani,26 Assisi
tel 075 812 204


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