カメラといっしょ★

地元福岡~イタリア留学からワーキングビザ取得しての海外生活を写真で綴るつれづれ日記

空の上のヴォルテッラ、編集後記

2012-10-20 21:31:08 | ★編集後記
CREA WEBの取材。
トスカーナ西部の町ヴォルテッラへ。
車で行けばそう遠くもないんだろうけど、
シーズンオフで本数の少ないバスをつかまえるため
ようやく夜の明けたフィレンツェを出発。

朝焼けのポンテベッキオ。
早起きは三文の得な景色に見送られ、駅へと急ぐ。

ポンテデッラ駅からバスに乗り、
ゆらゆらと丘を上る事しばし、
大地が遥か下に遠のいた頃、
ひときわ高い丘の上の町ボルテッラに着く。

朝日を浴びる町。

夜を覆っていた雲も切れ始める。

ヴォルテッラは古代エトルリア時代から続くこの町は、
長い歴史を刻んだ古き美しき佇まいを残している。

こんなローマ時代の遺跡だってある。
 
そんな町の景色とともに、みなさんに紹介したいもの、
それはこの地方のおいしいもの!
だっておいしいものって記事で読んだだけでも
なんだかワクワクしちゃうでしょ。
 
 
わざわざ今日取材に来たのもそのため、
実は今「Volterragusto」ヴォルテッラ秋の味覚祭りをやってるから。
この地方はミネラル豊富な土地で、
おいしいぶどうや小麦が獲れる。
それから、ジビエを使ったハム、トリュフの産地でもある。
おいしいものたくさんだー!
町の至る所にブースが設けられ、
ワイン、チーズ、ハム、オリーブオイルなどなど
町の特産品を売っている。
私も地図と、ワイン試飲用のグラスを買って、
ブースを廻りつつ町歩き。
 
  
ワインの試飲で取材も絶好調、
写真撮って、試食、試飲して、色々感じて

そう、感じる事、これが私の仕事には一番大事。
何も感じなければ、この世はないと同じ。
ないものは書けない、撮れない。
 
 
もちろん勉強だって忘れてません。
エトルリア時代の発掘品などを展示するエトルリア博物館へも。
館内は撮影禁止なので、お庭で写真をちょっと。
 
それから町を散策。
 
 
本当に不思議な町。
高い丘の上に孤高にあるこの町は、
何にも汚されず美しくある。
ずっと昔に見たあのアニメの空に取り残された町みたいに。

公園では美しい秋に出会った。

ハッとするような秋の色が一気に私の胸の内も秋色に染める。
なんだか急にすごく人恋しくなった。
桜はひとりで眺めても平気だけど、
紅葉はどうしてひとりだといたたまれなくなるんだろう。。

町の外れに出た。

その向こうは崖、ここは孤高の丘。
眼下に広がる美しき大地。

ようやく日が高く昇り、今日を美しく照らす頃
私は帰りのバスに乗らなくてはいけない。
もうちょっとゆっくりしてたかったなー。
 
バスを待つ間、広場の淵に腰掛けて広い景色をながめつつ
味覚祭りで買った「Acciughe in zimino」を
試飲でもらった赤ワインとともにいただく。
アッチューゲインジミーノはアンチョビとビエトロという野菜を使った料理。
試食させてもらったら激旨で迷わず購入。
すぐに食べたかったので、
売り場のおばさんにパニーノ(サンドイッチ)にできる?ときくと、
できないけど、でも、とこっそり試食用のパンを切って分けてくれた。
なんて親切。。ありがとうおばちゃん。。

おいしいパニーノとワインと人のあたたかさで満たされた昼下がり。
帰りのバスから振り返る町はぽつりと空の上。
夢のように小さく遠のいていくのでした。

この時の記事はこちらから↓
「CREA WEB」世界の気になる街角から