「こんにちわッ、テディちゃでス!
さみしいィでスよゥ~!」
「がるる!ぐぅっるがるる……」(←訳:虎です!ショックでした……)
こんにちは、ネーさです。
藤子不二雄Aさんが旅立たれました……
『怪物くん』『忍者ハットリくん』『まんが道』……
ご冥福をお祈りしながら、
本日は巨匠さんたちの業績を偲ぶ読書タイムにいたしましょう。
さあ、こちらのアンソロジー作品を、どうぞ~!
―― 世界推理短編傑作集 6 ――
編者は戸川安宣(とがわ・やすのぶ)さん、
2022年2月に発行されました。
『GREAT SHORT STORIES OF DETECTION|vol.6』
と英語題名が付されています。
江戸川乱歩さんによって編纂された
『世界推理短編傑作集 全5巻』は、
2018年から1年がかりでリニューアルされました。
数多の名作の中から、
第1巻~第5巻には
短編推理小説44作品が選出されていますが、
第6巻には、
1~5巻編集の際に不運にもこぼれ落ちてしまった
13作品が収録されています。
「りきさくゥぞろいィ!」
「ぐるがる!」(←訳:逸品揃い!)
ええ、目次をチラ見しただけで分かります。
オルダス・ハックスリーさん、
レイモンド・チャンドラーさん、
ジョルジュ・シムノンさん、
マイケル・イネスさん……
と、巨匠さんの名が並んでいますよ。
ハリイ・ケメルマンさん作
『九マイルは遠すぎる』はミステリの金字塔とも言える
傑作中の傑作ですし、
ニコラス・カーターさんの
『ディキンスン夫人の謎』は軽快なエンタ作。
しかし、
長編であるかのような深みと
迫力を備えた作品というなら、
パール・S・バッグさんの
『身代金』でしょうか。
「うううッ、これはァ~…」
「がぅるるぅるるぐるがるるる!」(←訳:フィクションとは思えない!)
『身代金』が発表されたのは1938年。
迫真性の源は、おそらく、この“時代“にあります。
米国の人びとが、
そして世界中の人びとをも震え上がらせた
リンドバーク家の事件が起きたのは
『身代金』発表の6年前のことでした。
どれほど気を付けていても、
用心に用心を重ねても、
ほんの一瞬の気の緩みが、
《悪》にチャンスを与えてしまう――
裕福な実業家ケント・クラザーズさんと
妻のアリンさんは
戦々恐々としています。
ラジオのニュースが伝えるのは、
連日のように発生する
誘拐事件の悲惨な顛末。
我が家も、我が子も、
卑劣な犯罪の標的となってしまうのだろうか、と
夫妻の心には不安な影が差すばかり。
そうして、或る日、
怖ろしい不安は現実のものに……?
「どうしようッ??」
「ぐるがるるぐるる?」(←訳:誰を頼ればいいの?)
バッグさんが描き出す物語は、
発表から80余年を経た現在でも
まったく古びておらず、
私たち読み手は引き込まれずにはいられません。
ミステリ好きな方々に、
文芸作品好きな方々にも
おすすめしたいバッグさんの作品をはじめ、
いずれも《傑作》の看板に違わぬ13作品を、
ぜひ、一読してみてくださいね~!