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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 鷹とヒトの軌跡 ~

2022-04-05 22:00:00 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 はらはらァ、そわそわッ!」

「がるる!ぐるがるるる!」(←訳:虎です!若干ドキドキ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日は3回目のワクチン接種を予約していますので、

 早めに記事を書いて予約投稿の設定をして……と、

 そわそわバタバタしておりますよ。

 副反応が軽く済むようにと祈りつつ、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

      ―― 鷹狩の日本史 ――

 

 

 編者は福田千鶴(ふくだ・ちづる)さん、

 武井弘一(たけい・こういち)さん、

 2021年2月に発行されました。

 日本に於ける《鷹狩》の歴史を俯瞰する

 ノンフィクション作品は、

 いやー凄いわ! 歴史好きさん必読の快作ですよ!

 

「れきしのォ、ふしぎィ!」

「ぐるるるがる!」(←訳:いろいろ氷解!)

 

 《鷹狩》の原点――

 “猛禽類を手なずけて猟に使う“という技法は、

 約4000年前、

 中央ユーラシア山岳地帯の人びとによって考案された、

 とされています。

 

 日本では、

 五世紀の古墳時代から

 徳川幕府が政権を返上する19世紀の後半まで、

 長く伝承されてきました。

 

「だいにんきィ、だッたのでス!」

「がるるるぐるるる!」(←訳:公家にも武家にも!)

 

 第一部『古代から近世までの通史的展開』では、

 古代、中世、近世の日本での《鷹狩》を、

 そして

 第二部『鷹と人との関係史』では、

 鷹の種類、

 《鷹狩》の獲物としてのツル、

 保護される対象となったツル、

 《鷹狩》の絵画、

 鷹書と出版文化、

 ……と、《鷹狩》変遷の流れを追う中で、

 私ネーさが最も驚かされたのは、

 鷹たちにヒエラルキーがあること。

 

 《鷹狩》で最高位の鷹といえば、

 問答無用で、

 大鷹(オオタカ)。

 

 鷂(ハイタカ)、雀鷂(ツミ)、隼(ハヤブサ)よりも、

 大鷹。

 

 特に、ツルを仕留めることができる大鷹なら、

 大いにウェルカム!

 

「もうひとつゥ、びッくりィしたのはァ~」

「ぐるるるがるぐる!」(←訳:カワイイのは駄目!)

 

 そうなんです、ルックスも無視できません。

 

 くりっとした、

 つぶらな瞳が愛らしい隼(ハヤブサ)。

 

 しかし。

 武家社会では愛らしさよりも、

 ギロッと眼光鋭い方が好まれたのです。

 三白眼っていうのかしら、

 瞳が小さくて、目線が険しいタイプ、ですね。

 この点でも、大鷹に軍配が上がりました。

 

 こうして、

 さまざまな作法やルール、

 育成の方法、技術の継承などなど、

 武将たち大名たちの世に

 すっかり根付いていた《鷹狩》。

 ですが――

 

「とつぜんッ、でしたでス!」

「がるぐるるるる~…」(←訳:維新なんだよね~…)

 

 明治維新によって武家階級が消失し、

 現代は、《鷹狩》受難の時代、となってしまいました。

 はたして、日本の《鷹狩》の未来は……?

 

 歴史好きな活字マニアさんはもちろんのこと、

 動物好きな方々にもおすすめの一冊です。

 とりわけ、兼平賢治さんによるコラム

 『鷹・馬・犬から見た生類憐みの令』は

 鋭い視点で先入観を破壊してくれますよ。

 なので、江戸文化好きな方々も、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♫