「こんにちわッ、テディちゃでス！
ふゥ！ ひとやまァ～こえましたでスゥ！」
「がるる！ぐるるがるるる！」（←訳：虎です！いいやまだまだ！）
こんにちは、ネーさです。
春のプチ大掃除はようやく最初の山を越え……
いえいえ、まだ先は長うございます。
無事に終わるよう祈りながら（終わるのか？）、
さあ、スキマ時間はしっかり読書ですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ～♪
―― 東京 和楽日和 ――
著者は瀬戸龍哉（せと・たつや）さん、
2024年2月に発行されました。
『waraku journal of tokyo』と英語題名が付されています。
昔むかしから伝えられ、
現代の日本にも根付き、活かされている
《季節のもよおし》――
この御本では、東京の地に残る和の行事や和の楽しみを
春夏秋冬の季節ごと、
4つの章で紹介＆解説してゆきますよ。
「ちょうどォ、しゅんぶんッ！」
「ぐるるるがる！」（←訳：重要な日です！）
2024年の春分の日は、昨日3月20日でした。
四節気の一つである春分の日は、
仏教行事の『お彼岸』と重なっています。
著者・瀬戸さんが、
お墓参りをしながら、思い馳せるのは、
亡くなった人との触れあいを描いた
ディズニー映画『リメンバー・ミー』。
少年と曾祖母、曾祖母の父、
忘却という”完全なる死”から彼らを守る
素朴な、しかし何よりも温かな『リメンバー・ミー』の歌声に、
瀬戸さんは、
観終えて正直泣いた。
と告白しています。
遠いメキシコでも日本のお盆のような行事があり
先祖を大切にしているのだ、と感じ入って。
「わわわッ、なッ、なかないでェ～！」
「がぅっるぅ！ぐるるる！がるる！」（←訳：ティッシュ！ハンカチ！タオル！）
瀬戸さんの文章を読んで、
私ネーさも貰い泣きしそうになり、
同時にひどく驚かされました。
四季暦や、二十四節気について書かれた作品は
たくさん出版されていますけれど、
その多くは、暦についてあっさりと記述するに留まり、
私情や私事を挟むことを避けています。
ところが、瀬戸さんは思いっ切り私情に走っちゃうんです。
4月16日は『康成忌』、川端康成さんの命日。
川端さんへの憧れ、共感、敬愛を、たっぷりと。
三社祭が行われるのは、5月の中旬あたり。
観光地・浅草は大賑わい……なのに、
祭りの本来の主役・浅草神社は、
ひっそりしていて、かなり地味？
夏至の日に想うのは、
カルガモの親子たちの行く末。
二子玉川のビルに現れたカルガモたちの愛らしさと、
人間の子どもたちに追い回され、
散り散りになってしまった親子は……。
立秋の、8月8日は『ちょうちょの日』。
日本の国蝶はオオムラサキだけれど、
もしも国魚を選定するなら、
錦鯉？ それともサンマ？
「ぷふふふッ！」
「ぐるるっ！」
かつてなくエモーショナルな暦解説の白眉は、
茶人である瀬戸さんが見つめる
『利休忌』でしょうか。
茶聖・利休さんは、なぜ、いかにして、
この世を去ったのか。
謎をこれみよがしに突き詰めるのではなく、
静かに、ささやかに、茶を点てて偲ぶ。
「ふァいッ！ さわがしいィのはァ、にあいませんッ！」
「がるるるるるぐるる！」（←訳：穏やかなのがいいね！）
利休さんの命日は旧暦2月28日、
新暦では、今年（2024年）は3月28日になるようです。
その日、サクラは咲き初めでしょうか。
それとも、満開を迎えているのでしょうか……。
”むかし”を想い、”いま“を想い、
春夏秋冬の《暦》からたどる、
東京の文化、文物、伝統、町と人の姿。
歴史好きな活字マニアさんに、
祭事好きな方々にもおすすめですよ。
ぜひ、一読してみてくださいね～♪
