テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

めぐるめぐる、たてもの園。

2014-10-27 21:44:57 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 しょッくゥ、でしたでス……!」
「がるる!ぐるるるるる……!」(←訳:虎です!信じられない……!)

 こんにちは、ネーさです。
 今朝がたの報道で美術家・作家の赤瀬川原平さんの訃報に接しました。
 つつしんで御冥福をお祈りしつつ、
 路上観察学会ファンとして、
 本日の読書タイムは、こちらの作品で赤瀬川さんの業績を偲びたいと思います。

  



           ―― 新 江戸東京たてもの園物語 ――



 企画・編集は江戸東京たてもの園(東京都江戸東京博物館分館)と
 スタジオジブリの皆さん、2014年7月に発行されました。
 先日は、現在江戸東京たてもの園にて開催中の企画展
 『ジブリの立体建造物展』図録を御紹介いたしましたが、
 こちらは、いわば“常設展”部分の解説書、とでも申しましょうか。

「たてものえんにはァ~、たてものォ、いィ~ッぱいィ!」
「ぐるるるがるるぐる!」(←訳:古いのも新しいのも!)

 江戸東京たてもの園には、
 江戸東京の歴史を伝える文化的価値の高い建物が
 移築・復元・保存・展示されています。

 大火や水害を免れた江戸の建物、
 震災にも屈しなかった大正の建物、
 戦災をくぐり抜けた昭和の建物など、
 全27棟(2014年現在)。

「いりいろォ、ありまスゥ!」
「がるるぐるる!」(←訳:御殿も商店も!)

 茶室の庵、
 伊達家の門、
 華族のお屋敷、
 あるいはまた、あの!有名なお風呂屋さんや、
 旅館さん、文具店さん、乾物屋さん、
 はたまた穀物蔵、寛永寺灯籠、
 郵便箱(郵便ポスト)、都電車両、ボンネットバス……と、
 さまざまな展示物が園内に配されています。

 それらについて、
 本文中で専門家の立場から詳しく解説してくださるのは、
 赤瀬川さんの盟友にして
 建築家・建築史家の藤森照信さん。

「おおッ! あのォおかたもッ!」
「ぐるるー!」(←訳:登場だー!)

 ええ、なんたって編集・企画にスタジオジブリさんが係わっているんですもの、
 宮崎駿さん、
 高畑勲さんも登場し、
 藤森さんと昔の建物話に花を咲かせています。

「たのしそうなァ、たいだんッ、でスよッ♪」
「がるぐるるっ!」(←訳:話がはずむっ!)

 また、たてもの園に移築された建物に、
 かつて実際に住んでおられた方々の思い出話、
 復元作業に関する学芸員さんのお話なども
 建築マニアさんには
 宝箱のように感じられるのじゃないかしら。

 私ネーさ的には、
 新宿区信濃町から移築されたデ・ラランテ邸のお話に
 感激させられましたよ!

 活字マニアの皆さまは御存知でしょう、
 三島由紀夫さんの小説の舞台になった洋館が
 JR中央線の車窓から見える四谷近くの高台にあったことを。

 いずれボロボロに朽ちてしまうのじゃなかろうか……
 と心配していたあの白い洋館は今、
 江戸東京たてもの園で復活!

「やッたねッ!」
「ぐるる!」(←訳:お見事!)

 《路上観察》精神にあふれたこの御本で、
 東京来訪の予定がない方々も
 江戸~昭和気分を満喫してくださいね。
 おすすめの一冊です!



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