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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 短編の、粋な味わい ~

2024-11-06 22:03:12 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ふうゥ、おおさわぎィなのでスよゥ!!」

「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!大規模選挙だね!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 大統領選挙に、上院やら下院からの選挙も重なって、

 米国が、いえ、地球中がバタバタの一日でしたね。

 平和な世界の到来を渇望しながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

        ―― ザ・ベストミステリーズ 2024 ――

 

 

 編者は日本推理作家協会の皆さん、

 2024年6月に発行されました。

 『The Best Mysteries 2024』と英語題名が付されています。

 

「もうゥ~そろそろォ、はッぴょうゥでス!」

「ぐるるがるるぐるるる!」(←訳:今年のベストミステリ!)

 

 ええ、毎年12月の初旬~中旬には

 2024年のベスト10作品が

 ミステリ専門誌・文芸誌・週刊誌などに掲載されますね。

 

 この御本に収録されているのは、

 去年――2023年に発表された短編推理小説の中から

 厳選された6つの短編作品です。

 そのラインナップは、

 

 第77回日本推理作家協会賞短編部門を受賞した2作品

 坂崎かおるさん著『ベルを鳴らして』と

 宮内悠介さん著『ディオニソス計画』、

 

 青崎有吾さん著『人魚裁判』

 

 天祢良さん著『十七歳の目撃』

 

 太田愛さん著『夏を刈る』

 

 織守きょうやさん著『消えた花婿』。

 

「りきさくゥ、ずらァ~りィ!」

「がるるぐる!」(←訳:切れ味爽快!)

 

 傑作揃いの6篇の中、

 私ネーさが推したいのは、

 青崎有吾さんの『人魚裁判』です。

 

 2023年11月に刊行された『地雷グリコ』が

 2024年に入ってから大ブレイク!

 直木賞の候補になり、

 一時期は在庫が払底するほど!でしたね。

 

 この『ザ・ベストミステリーズ2024』にセレクトされている

 『人魚裁判』は、

 青崎有吾さんのファンの方々にはお馴染みの

 《アンデッドガール・マーダーファルス》シリーズの一編で、

 題名の通りに、

 『人魚』の有罪無罪を決する

 『裁判』劇が描かれています。

 

「にんぎょッ!」

「ぐるるる~!!」(←訳:いるんだ~!!)

 

 時代は、さて、

 19世紀末あたりのいつか、でしょうか。

 

 ノルウェー中部のトロンハイムで、

 裁判が開廷されようとしています。

 

 フランスの新聞記者ルールタビーユ氏、

 画家エドヴァルド・ムンク氏他、

 そうそうたる名士たちが傍聴席に陣取る

 裁判の被告は……人魚。

 

 そう、ここは、人狼や吸血鬼、

 人馬(ケンタウロス)たちが行き交い、

 《怪物》と人間が同居している世界です。

 ならば、北欧の海を

 人魚が泳いでいても

 不思議ではありますまい。

 

 とはいえ、

 人魚が捕獲され、

 殺人の容疑で告発されているというのは、

 珍しいケースかもしれません。

 

「ゆうざいィでスかッ?」

「がるるぐるるる?」(←訳:無罪になりそう?)

 

 人魚さん側、

 つまり被告側弁護人として

 悠然と名乗りを上げたのは、

 《怪物専門の探偵》を自称する

 『不死(アンデッド)』の

 輪堂鴉夜(りんどう・あや)さん。

 

 昨日この町に着いたばかりの鴉夜さん、

 人魚さんの事件については

 今朝の新聞で知った、と言います。

 

 無罪判決を勝ち取る自信満々、

 と見える彼女ですが、

 はたして、どのような論理で

 検察側をブチのめすんでしょう?

 

「くすくすッ!」

「ぐるるるっ!」

 

 意表を衝く幕開け、

 怒濤の中盤、

 おお!と拍手また拍手のエンディング。

 

 短編ミステリの良さが

 隅から隅まで詰まったベスト集は、

 野地嘉文(のじ・よしふみ)さんによる

 巻末の総括も含めて、

 ミステリ好きな方々、

 エンタ作品好きな活字マニアさんに

 激おすすめですよ。

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪