「こんにちわッ、テディちゃでス!
ならびィ~ましたでスゥ!」
「がるる!ぐるるる~!」(←訳:虎です!ピンゾロ~!)
こんにちは、ネーさです。
1がずら~りと並ぶ11月11日の読書タイムは、
ポッキーをパクパク齧りながら、
こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 飛び立つ季節 ――
著者は沢木耕太郎(さわき・こうたろう)さん、
2022年6月に発行されました。
『旅のつばくろ』と副題が付されています。
さあ、旅ですよ!
「たいりくゥ~おうだんてつどうゥでッ?」
「ぐるるる?」(←訳:飛行機で?)
名作『深夜特急』をはじめ、
《旅》を語らせたら第一人者!な著者・沢木さん。
航空機で、夜行列車で、
ぐんぐんお出掛けしていただきたい、のですけれど、
ああ……コロナ禍がそれを許しません。
「いやいやッ! まけませんッ!」
「がるるぐるるる!」(←訳:行こう何処かへ!)
この御本には、
国内旅のエッセイ35編が収録されています。
歩く《旅》あり、
電車やバスの《旅》あり、
泊まりもあれば日帰りの《旅》も、
と、さまざまな形の《旅》が記されていますよ。
そうした《旅》の中で、
いちばん無理のない方法は、やはり
“歩き”ということになりましょうが……
沢木さんの眼と足にかかると、
ささやかな”歩き”も別次元の《旅》に
進化してしまいます。
「ふとォ、きこえてェきたのでス!」
「ぐるがるぐる!」(←訳:本棚から声が!)
いつか読もうと思ってはいても、
なんとなく手をつけかねている本が並ぶ棚。
或る日のこと、
棚の一冊が沢木さんに語りかけてきました。
『俺を読め』と。
それは、
江戸時代後期に生きた武士、
村尾嘉陵(むらお・かりょう)さんが
江戸の近郊を歩いた記録の現代語訳版
『江戸近郊ウォーク』。
村尾さんがどんなルートを
歩いたかというと……あらら?
「むむゥ! しッてるゥでス!」
「がるぐぅる!」(←訳:近所じゃん!)
用賀、瀬田、池尻、三軒……
東京・世田谷に生まれ育った沢木さんにとって、
親しい地名ばかりが
そこにはありました。
《これは、たぶん、
行ってこい、という
旅の神様の思し召しであるのだろう》
村尾さんが歩いた道筋は
どんなものだったろう。
いま、そのルートは現存しているのか。
資料を集めて読み込み、
沢木さんは《旅》の起点となる
村尾さんの家があった場所――
三番町の路上から一歩を踏み出します。
「もくてきちはァ?」
「ぐるる!」(←訳:九品仏!)
江戸と東京を重ね合わせる《旅》、
16歳の沢木さんが巡った東北の《旅》、
小泉八雲を想う《旅》、
偶然と必然が招く《旅》。
巻末の『飛び立つ季節――あとがき』に
熱く旅ごころをかき立てられるエッセイ集は、
《旅》を愛する方々に、
いえ、全活字マニアさんにおすすめですよ。
ぜひ、一読してみてくださいね~♪