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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 旅が、呼ぶ。 ~

2022-11-11 21:45:28 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ならびィ~ましたでスゥ!」

「がるる!ぐるるる~!」(←訳:虎です!ピンゾロ~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 1がずら~りと並ぶ11月11日の読書タイムは、

 ポッキーをパクパク齧りながら、

 こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

        ―― 飛び立つ季節 ――

 

 

 著者は沢木耕太郎(さわき・こうたろう)さん、

 2022年6月に発行されました。

 『旅のつばくろ』と副題が付されています。

 

 さあ、旅ですよ!

 

「たいりくゥ~おうだんてつどうゥでッ?」

「ぐるるる?」(←訳:飛行機で?)

 

 名作『深夜特急』をはじめ、

 《旅》を語らせたら第一人者!な著者・沢木さん。

 

 航空機で、夜行列車で、

 ぐんぐんお出掛けしていただきたい、のですけれど、

 ああ……コロナ禍がそれを許しません。

 

「いやいやッ! まけませんッ!」

「がるるぐるるる!」(←訳:行こう何処かへ!)

 

 この御本には、

 国内旅のエッセイ35編が収録されています。

 歩く《旅》あり、

 電車やバスの《旅》あり、

 泊まりもあれば日帰りの《旅》も、

 と、さまざまな形の《旅》が記されていますよ。

 

 そうした《旅》の中で、

 いちばん無理のない方法は、やはり

 “歩き”ということになりましょうが……

 沢木さんの眼と足にかかると、

 ささやかな”歩き”も別次元の《旅》に

 進化してしまいます。

 

「ふとォ、きこえてェきたのでス!」

「ぐるがるぐる!」(←訳:本棚から声が!)

 

 いつか読もうと思ってはいても、

 なんとなく手をつけかねている本が並ぶ棚。

 或る日のこと、

 棚の一冊が沢木さんに語りかけてきました。

 『俺を読め』と。

 

 それは、

 江戸時代後期に生きた武士、

 村尾嘉陵(むらお・かりょう)さんが

 江戸の近郊を歩いた記録の現代語訳版

 『江戸近郊ウォーク』。

 

 村尾さんがどんなルートを

 歩いたかというと……あらら?

 

「むむゥ! しッてるゥでス!」

「がるぐぅる!」(←訳:近所じゃん!)

 

 用賀、瀬田、池尻、三軒……

 東京・世田谷に生まれ育った沢木さんにとって、

 親しい地名ばかりが

 そこにはありました。

 

  《これは、たぶん、

   行ってこい、という

   旅の神様の思し召しであるのだろう》

 

 村尾さんが歩いた道筋は

 どんなものだったろう。

 いま、そのルートは現存しているのか。

 

 資料を集めて読み込み、

 沢木さんは《旅》の起点となる

 村尾さんの家があった場所――

 三番町の路上から一歩を踏み出します。

 

「もくてきちはァ?」

「ぐるる!」(←訳:九品仏!)

 

 江戸と東京を重ね合わせる《旅》、

 16歳の沢木さんが巡った東北の《旅》、

 小泉八雲を想う《旅》、

 偶然と必然が招く《旅》。

 

 巻末の『飛び立つ季節――あとがき』に

 熱く旅ごころをかき立てられるエッセイ集は、

 《旅》を愛する方々に、

 いえ、全活字マニアさんにおすすめですよ。

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪