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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 古き佳き日の《オリエント急行》で ~

2021-09-17 22:25:16 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぽわろォさんッ、ありがとうゥなのでスゥ~!」
「がるる!ぐるるっる~!」(←訳:虎です!面白かった~!)

 こんにちは、ネーさです。
 先週9月11日、BSプレミアムの
 《名探偵ポワロ》シリーズは
 最終回を迎えました……
 そこで本日の読書タイムは、
 およそ1年と3か月の間、
 数多の名推理を披露してくれたポワロさんに
 感謝の気持ちをこめて、
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  


 
      ―― オリエント急行 ――



 著者は櫻井寛(さくらい・かん)さん、
 2021年7月に発行されました。
 『究極の豪華寝台列車のすべて』と
 副題が付されています。

「めいさくのォ、ぶたいィ!」
「ぐるるるるるがるる!」(←訳:ポワロさんの独壇場!)

 《オリエント急行》は、
 1883年に誕生しました。

 その頃、日本は明治16年。
 著者・櫻井さんによれば、
 東海道本線さえ全線開業していなかった、
 とのことですが。

 ヨーロッパからアジアへ直通する
 初めての列車、
 しかも超豪華な内装を施した
 国際寝台列車でしたから、
 《オリエント急行》が
 世の注目を集めない訳はありませんよね。

「おきゃくさまもォ、ごうかァでス!」
「がるるぐるる!」(←訳:王様に大富豪!)

 ルーマニアやギリシャ、ブルガリアなど
 各国の王族、
 大富豪、外交官、官僚、芸術家が常連となった
 《オリエント急行》の黄金時代は、
 第一次世界大戦後でした。

 アガサ・クリスティーさん著
 『オリエント急行の殺人』が刊行されたのも
 1934年――
 まさに《オリエント急行》全盛期にあたります。

「ではァ、そろそろォ!」
「ぐるるるるるぅる!」(←訳:乗り込みましょう!)

 この御本では、
 『箱根ラリック美術館』の
 《オリエント急行》車両の紹介に始まり、

 第1章『VSOE』では
 ロンドン~ベニス間の《オリエント急行》の旅、

 第2章『プルマン』では
 英国のロンドン~バース間の旅、

 第3章『F&O』では
 バンコク~シンガポール間の
 《イースタン&オリエンタル・エクスプレス》の旅、

 と、3つの旅が語られています。

 その中でも、
 最も華やかで、
 貴重でもあるのが、
 第1章のロンドン~ベニス路線でしょう。

「きちょうゥ?」
「がるるるぐるがる?」(←訳:どうして貴重なの?)

 なぜ貴重なのかというと、
 著者・櫻井さんが旅をした時と、
 2021年現在では、
 路線は同じでも内容が違っているのです。

 ヴィクトリア駅発→
 フォークストン駅で高速船に乗り換え→
 ドーバー海峡を渡り→
 フランスのブローニュ・マリティム駅で寝台列車に→
 パリを経由→ベニス着

 という櫻井さんの旅程に対し、
 旅行会社のHPに掲載されている
 現在の旅程は、

 フォークストンでVIPバスに乗り換え→
 ドーバートンネルを通って→
 パリで寝台列車に乗り込み→ベニス着。

「むむむゥ! とんねるゥよりもォ~」
「ぐるがるるぐるるる!」(←訳:船で海峡を渡りたい!)

 また、
 旅程の差もさりながら、
 この御本で読み逃せない点は、
 一度は消滅した《オリエント急行》復活の立役者、
 ジェームズ・B・シャーウッドさんについての
 記述です。

 チビッ子時代から乗り物が大好きな
 シャーウッドさん(1933~2020)は、
 大金持ちの海運王。

 古い寝台列車車両を買ったことを機に、
 散逸していた車両を買い集め、
 30億円の私財を投じて
 往時の内装を復元!
 あげく、
 廃止されていた
 《オリエント急行》そのものを
 復活させちゃった……!

「まにあァでスゥ!」
「がるるる!」(←訳:鉄ヲタだ!)

 真の鉄道マニアって
 こういう人なんだわ……と
 震撼し感激もさせられる
 ”鉄道の夢”と”夢の鉄道”。

 名探偵ポワロ&クリスティーさんの
 ファンの方々に、
 鉄道大好き!な方々に、
 おすすめの一冊です。
 ぜひ手に取って、
 夢の世界を望見してみてくださいね~♪