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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 読む&眺める『新青年』 ~

2021-06-16 23:44:47 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふうゥ~…おわッちゃッたのでスかァ~…」
「がるる!ぐるるる~る!」(←訳:虎です!とわ子さ~ん!)

 こんにちは、ネーさです。
 ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』が最終回を迎え、
 寂しくなりました……。
 ステキな物語を送り出してくれた
 俳優さん&スタッフさんに大きな拍手を送りつつ、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらのアンソロジー作品を、どうぞ~♪

  


 
   ―― 『新青年』名作コレクション ――



 編者は『新青年』研究会の皆さん、
 2021年4月に発行されました。
 テーマは伝説の雑誌『新青年』!

「えどがわァらんぽさんッ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:横溝正史さん!)

 ええ、そうですね、
 日本に於ける”探偵小説の父“江戸川乱歩さん、
 横溝正史さん、夢野久作さん……と、
 綺羅星のような作家さんたちの作品が
 誌面を飾った『新青年』。

 創刊は1920年、
 探偵小説の他に、
 時代小説や現代小説、
 映画などアート評論も掲載され、
 エンタ色の強い総合雑誌であったようです。

 この御本では、

 1章『探偵小説の成立』(1920~1926)
 2章『花咲くモダニズム』(1927~1932)
 3章『探偵小説の新展開』(1933~1938)
 4章『戦時のロマンティシズム』(1939~1945)
 5章『新時代の夢』(1946~1950)

 と、5つの章に分けて、
 各時代に活躍した作家さんの
 作品を収録&解説し――

「あッ! これこれッ!」
「がるぐる~る!」(←訳:これ愉し~い!)

 えへん、この御本には、
 小説以外にも、
 これは面白たのしいわ!と、
 つい前のめりになってしまうページがあるんです。

 それは、各章ごとの、
 《誌面ギャラリー》。

 雑誌発行当時の、
 見開きの誌面が紹介されていて、
 おお、なんと!

 江戸川乱歩さん著
 『二銭銅貨』の第一頁と挿絵が!

 横溝正史さん著『鬼火』の、
 竹中英太郎さんの挿絵が!

 なんていう具合に、
 当時の雑誌のデザイン力を
 目の当たりにすることが出来ます。

 中でも驚かされたのは、

「きょうりゅうゥ、しゅつげんッ?」
「ぐるる!」(←訳:翼竜も!)

 1939年8月号掲載の、
 『地底獣國(前篇)』は、
 久生十蘭さんが阿部正雄名義で著した
 “冒険怪奇探検長篇”?
 コナン・ドイルさんの『失われた世界』か?
 ジュール・ヴェルヌさんの探検物語なの?
 というような挿絵で、
 これはいったい……?

 いやもう、久生十蘭さんが
 恐竜モノを書いていたとは、
 私ネーさ、ショックです……
 これは、探さないと!

「ぶたいはァ~…」
「がるーるるる?!?」(←訳:オホーツク海?!?)

 また、作家さんたちが
 頻繁に、
 あるいは気軽に、
 筆名(別名)を使っていたことも
 新たな発見でした。
 これも、アンソロジーならではの良さ、でしょうか。

 冒頭の『はじめに』、
 巻末の『補章』も必読の
 よりぬき『新青年』名作コレクションは、
 ミステリ好きさんにも、
 デザイン好きな方々にもおすすめです。
 ぜひ、一読してみてくださいね♫