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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 永遠の夜を照らせ ~

2021-03-01 23:31:00 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぱふゥ! おもしろかッたでスゥ~!」
「がるる!ぐるるがるるぅ!」(←訳:虎です!幕末もいいなぁ!)

 こんにちは、ネーさです。
 大河ドラマ『青天を衝け』第3回、
 と~っても楽しゅうございました♪
 次はさらに劇的展開が?と
 日曜日の放送を待ちながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  


 
     ―― ゴシックの解剖 ――



 著者は唐戸信嘉(からと・のぶよし)さん、
 2020年12月に発行されました。
 『暗黒の美学』と副題が付されています。

 先日、石岡瑛子さんの回顧展図録
 『血が、汗が、涙がデザインできるか』
 をご紹介しました折に、
 映画『ドラキュラ』について触れました。

 映画の原作である小説『ドラキュラ』は、
 ゴシック・ロマンの名作といわれていますが……
 じゃあその、《ゴシック》って、なぁに?

「えッとォ、ふらんけんしゅたいんッ?」
「ぐるっる・がるーる?」(←訳:ゴシック・ロリータ?)

 御本冒頭の『はじめに』と、
 第一章『《ゴシック》の起源』で
 著者・唐戸さんは述べています。

 ルネサンス時代の考え方では、
 宇宙(コスモス)の中心は、人間。

 しかし、18世紀に到り、
 人間中心主義から、
 より中世的な、
 神を中心に据えた宇宙観(コスモロジー)が
 復活してゆき、
 ゴシックが生まれた――

 そこには、
 神という無限なるもの(非人間的なもの)への
 憧れが込められている。

「ふむむゥ、だからァ~ふらんけんしゅたいんッ!」
「がるるる!」(←訳:吸血鬼も!)

 そう、憧れとはいっても、
 その世界観は“ダーク”。

 明るい陽光に満ち満ちた世界ではなく、
 淡く鈍い光が揺れる
 黄昏の世界です。

 第二章『吸血鬼』、
 第三章『人工生命――人造人間・アンドロイド・AI』
 第四章『分身――ドッペルゲンガー・悪魔憑き・二重人格』
 
 と、各章では、
 いかにもゴシック!な
 名作が取り上げられていますが、

 第五章『廃墟』には、
 SF作家H・P・ラヴクラフトさんや
 コナン・ドイルさん、

 第六章『地下』では、
 宮崎駿さん監督作品『カリオストロの城』も、
 ゴシック作品として登場!

「ふァ? るぱんさんもォ?」
「ぐるるるがるっる?」(←訳:カリ城もゴシック?)
「びッくりィ!」

 怪奇譚、幽霊譚、
 幻想文学からSF、
 ついには映画・アニメーション。

 近代から現代へ、
 おそらくは未来へも続いてゆく
 《ゴシック》解剖論は、
 意外なことに
 明朗で雄弁でポップですらあります。
 特に、ラヴクラフトさんのファンの方々に
 おすすめの一冊ですよ。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪