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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 窓からの眺め ~

2015-02-06 21:34:34 | ブックス
「こんにちわゥ、ッテディちゃでス!
 はちおうじィではァ、せきせつゥ、ぜろせんちィ!」
「がるる!ぐっるー♪」(←訳:虎です!ラッキー♪)

 こんにちは、ネーさです。
 雪まみれの週末にならなくて、ああ良かった♪
 ホッとひと安心の今日の読書タイムは、
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  



               ―― 高い窓 ――



 著者はレニモンド・チャンドラーさん、原著は1942年に、
 画像の村上春樹さんによる新訳版は2014年12月に発行されました。
 英語原題は『High Window』、
 いうまでもなく、私立探偵フィリップ・マーロウさんが活躍する
 極上のミステリ作品です!

「あめりかァでスねェ~」
「ぐるるがる~」(←訳:西海岸だね~)

 そうですね、霧のロンドンとは正反対な?
 米国西海岸の大都市と、
 映画撮影にうってつけの、
 明るく乾いた陽光。

 暑いパサデナの陽光の下、
 訪ねた屋敷で探偵マーロウさんは
 或る老婦人からの依頼を受諾します。

 義理の娘――
 つまり息子の嫁を探してほしい、と。

「うゥ~むむゥ? ひとさがしィ?」
「がるるるぐる?」(←訳:家庭内の問題?)

 一見、家庭内のトラブルかとも思える失踪の裏には
 複雑な事情が渦巻いているようです。

 お屋敷からは、もうひとつ、消えたものがありました。

 とても貴重な、
 珍しい金貨が、金庫からなくなった……!

「とうなんじけんッ!」
「ぐるがる!」(←訳:難度倍増!)

 消えたヒトを追い、金貨を追ううち、
 事件の背後には
 さらに一段と複雑な“過去”があることに
 マーロウさんは気付かざるを得ません。

 高い窓。

 そこで起きた何かが、
 この事件を動かしている――?

「こんがらがッてまスよゥ~!」
「がるるぐるるるる?」(←訳:正しい手掛かりは?)

 英米圏では、ミステリというより、
 ほとんど純文学に匹敵するほど
 高く評価されているチャンドラー作品。

 この御本の或る箇所で
 探偵マーロウさんはこう述べています。

    私は警官でもないし、密告屋でもないし、
    裁判所の廷吏でもない。

 ならば、マーロウさんは何者なのでしょうか。
 探偵?
 では、探偵とは、いったい何なのか――

「てつがくしゃッ?」
「ぐるる?」(←訳:傍観者?)

 《私立探偵マーロウ》シリーズの最高傑作は
 おそらく『ロング・グッドバイ』なのでしょうけれど、
 こちらの『高い窓』もとても素晴らしい!
 とりわけ、本文333ページに刻まれた美しさは……
 本好きを自負する御方は、
 ぜひぜひ読まねば!

「もうひとつゥ!」
「がっるる!」(←訳:こっちも!)

 村上春樹さんの『訳者あとがき』も
 どうか、読み逃しなきよう!