「こんにちわァ、テディちゃでス!
やッほほゥ! れんきゅゥ~でスよッ!」
「がるる!ぐるがるるる!」(←訳:虎です!明日はお休み!)
こんにちは、ネーさです。
明日11月23日は勤労感謝の日で祝日……実際には、
今日もお仕事よ!お休みじゃないのよう!
という御方も大勢おられることでしょうが、
気分だけは祝日で!
本日は、特別な日にふさわしい特別な一冊を御紹介いたしますよ。
こちらを、どうぞ~!

―― 最果てアーケード ――
著者は小川洋子さん、2012年6月に発行されました。
『BE・LOVE』連載コミック『最果てアーケード』(有永イネさん画)の
原作として書き下ろされた作品が、この御本です。
「あーけーどォ、でスかァ~♪」
「ぐるるがるる!」(←訳:お店がずらり!)
アーケード――
フランス語ではパッサージュ、だったかしら。
通路は屋根に覆われていて、
雨や風の心配をせずに、
ずらりと並ぶお店をひやかしながら、
お買い物ができるところ、ですね。
京都の錦市場あたり、
大阪では天満橋、
東京では阿佐ヶ谷や吉祥寺のアーケードが
よく知られていていますが……
この御本の“主役”ともいうべきアーケードは、
《世界で一番小さなアーケード》。
といって、その小ささを売り物にしているわけではありません。
ギネスに申請するでもなく、
飾り立てるでもなく、
薄暗く、ひっそりと目立たないまま、
はたして営業しているのか、いないのか……?
「むゥ! しつれいィなッ!
おみせはァ、ちゃんとォ、えいぎょうゥしてまスよゥ!」
「がる!ぐるるるがるがる!」(←訳:ほら!お客さんもいるよ!)
これは失礼いたしました。
本当ね、あまりにさりげないので見落としていましたが、
小さなアーケードは古びてこそいれ、
多様なお店が営業しているようです。
物語の語り手――《私》は、
『父が大家だった』ことから、
この小さなアーケードで生まれ、育ちました。
「あーけーどはァ、じぶんのォ、おうちッ!」
「ぐるがるがるるぐる!」(←訳:世界にただひとつのね!)
レース屋さん、
義眼屋さん、
揚げたてドーナツの輪っか屋さん、
レターセットやカードを扱う紙屋さん、
古今の勲章を売る勲章屋さん……。
ここまで記せば、分かるひとにはお分かりでしょうか。
IT? デジタル?
そんな類のお店は、
このアーケードに侵入することを許されていないのです。
世界でたったひとつのものばかりが集まるこの場所には。
「ここにはァ、にあわないィのでス!」
「がるがるるる!」(←訳:必要ないもん!)
《私》が愛犬と暮らすこのアーケードは、
はたして本当に
『最果て』――世界の果てなのでしょうか。
もしかしたら、こここそが、
世界の中心であるのかもしれません……。
「ほッきょくのようにィ?」
「ぐるがるがる!」(←訳:南極のように!)
そう、
人影が薄くとも、
ここなしに宇宙は存在し得ない、
そんな場所。
短編10作品から成る、
静かな子守唄のような、
一瞬の午睡のような、
《魔法の時》を抱えたものがたり、
すべての活字マニアさんに、おすすめです!
やッほほゥ! れんきゅゥ~でスよッ!」
「がるる!ぐるがるるる!」(←訳:虎です!明日はお休み!)
こんにちは、ネーさです。
明日11月23日は勤労感謝の日で祝日……実際には、
今日もお仕事よ!お休みじゃないのよう!
という御方も大勢おられることでしょうが、
気分だけは祝日で!
本日は、特別な日にふさわしい特別な一冊を御紹介いたしますよ。
こちらを、どうぞ~!

―― 最果てアーケード ――
著者は小川洋子さん、2012年6月に発行されました。
『BE・LOVE』連載コミック『最果てアーケード』(有永イネさん画)の
原作として書き下ろされた作品が、この御本です。
「あーけーどォ、でスかァ~♪」
「ぐるるがるる!」(←訳:お店がずらり!)
アーケード――
フランス語ではパッサージュ、だったかしら。
通路は屋根に覆われていて、
雨や風の心配をせずに、
ずらりと並ぶお店をひやかしながら、
お買い物ができるところ、ですね。
京都の錦市場あたり、
大阪では天満橋、
東京では阿佐ヶ谷や吉祥寺のアーケードが
よく知られていていますが……
この御本の“主役”ともいうべきアーケードは、
《世界で一番小さなアーケード》。
といって、その小ささを売り物にしているわけではありません。
ギネスに申請するでもなく、
飾り立てるでもなく、
薄暗く、ひっそりと目立たないまま、
はたして営業しているのか、いないのか……?
「むゥ! しつれいィなッ!
おみせはァ、ちゃんとォ、えいぎょうゥしてまスよゥ!」
「がる!ぐるるるがるがる!」(←訳:ほら!お客さんもいるよ!)
これは失礼いたしました。
本当ね、あまりにさりげないので見落としていましたが、
小さなアーケードは古びてこそいれ、
多様なお店が営業しているようです。
物語の語り手――《私》は、
『父が大家だった』ことから、
この小さなアーケードで生まれ、育ちました。
「あーけーどはァ、じぶんのォ、おうちッ!」
「ぐるがるがるるぐる!」(←訳:世界にただひとつのね!)
レース屋さん、
義眼屋さん、
揚げたてドーナツの輪っか屋さん、
レターセットやカードを扱う紙屋さん、
古今の勲章を売る勲章屋さん……。
ここまで記せば、分かるひとにはお分かりでしょうか。
IT? デジタル?
そんな類のお店は、
このアーケードに侵入することを許されていないのです。
世界でたったひとつのものばかりが集まるこの場所には。
「ここにはァ、にあわないィのでス!」
「がるがるるる!」(←訳:必要ないもん!)
《私》が愛犬と暮らすこのアーケードは、
はたして本当に
『最果て』――世界の果てなのでしょうか。
もしかしたら、こここそが、
世界の中心であるのかもしれません……。
「ほッきょくのようにィ?」
「ぐるがるがる!」(←訳:南極のように!)
そう、
人影が薄くとも、
ここなしに宇宙は存在し得ない、
そんな場所。
短編10作品から成る、
静かな子守唄のような、
一瞬の午睡のような、
《魔法の時》を抱えたものがたり、
すべての活字マニアさんに、おすすめです!