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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

ぽーんと、読破で!

2012-04-27 23:29:57 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 世間的にはきらきらのGW!
 なのに拙ブログは相も変わらず読書タ~イム!

「……こんにちわァ、テディちゃでス!
 あそびにィゆきたいィよゥッ!」
「……がるる!がるるぐるーぐるがるー!」(←訳:……虎です!遊園地とかー旅行とかー!)

 東京では、今春新しくオープンした商業施設がたくさんあります。
 近県にお住まいの活字マニアの皆さま、
 お時間があれば遊びに来てくださいね♪
 私たちもお出掛けの機会を虎視眈々と狙いつつ、
 今日のところは、やっぱり書物ネタで!
 本日ご紹介いたしますのは、は~い、こちらの新書で~す!

  


 
            ―― オノマトペがあるから日本語は楽しい ――


 
 著者は小野正弘さん、2009年7月に発行されました。
 『擬音語・擬態語の豊かな世界』と副題が付されています。
 
「おのまとぺェ??」
「ぐるがるる~?」(←訳:呪文みたい~?)
「はわいィのことばッ、でスかァ?」

 オノマトペ、とは
 ハワイの言葉でも呪文でもございません。
 フランス語のonomatopeeを語源とする、
 《擬音語》と《擬態語》を指す言葉です。

 鐘が鳴るさまの『ゴーン』、
 飛行機が飛ぶ様子の『キーン』――これが《擬音語》。

 回転の様子を伝える『クルクル』、
 輝きを描写する『ピカピカ』――こちらは《擬態語》ですね。

「さかながァ、ぴちぴちッ!」
「がるるぐるるるっ!」(←訳:足がフラフラっ!)

 一見、お子ちゃまモード全開の言葉遣いかと思われる《擬音語》と《擬態語》。
 
 ですが、明治大学文学部教授さんである著者・小野さんは、
 この《擬音語》&《擬態語》にこそ、
 日本語の奥深さを視ることが出来る、と説きます。

「うむむッ!
 わきゃるようなァ、きがしまスゥ!」
「がるるるぐるるるがるぐるる!」(←訳:ピチピチやクルクルは楽しいし!)

 そうね、楽しいって大事だわ!
 本文中で小野さんは
 《擬音語》&《擬態語》の効果と効能を、
 とっても分かりやすい例を挙げて
 解説して下さるのですけれど……

 その例というのが、
 『ゴルゴ13』!

「えッ??
 ほうしゅうはァすいすぎんこうにィ、ッていうのでスかッ??」
「ぐるるがるがる~?」(←訳:なんでゴルゴさん~?)

 ゴルゴさんが細身の葉巻に火をつける効果音、
 『シュポッ』――
 小野さんはここに注目します。

 『シュポッ』。
 こうでなくちゃ!
 『シュバッ』ではダメだ!
 『チャッ』でも違う!
 『シュボッ』!
 世紀のスナイパー『グルゴ13』に相応しいのは、この音だ!
 何故なら、ゴルゴの人となりの一面、その技量、
 物語の背景や展開、
 読み手側の期待、
 それらすべてを表しているのが
 この『シュボッ』なのだから……!

「……ふァ~」
「……がる~」

 漫画と劇画だけではありません。
 《擬音語》&《擬態語》は
 文豪さんたちにも愛されているのです。
 
 川端康成さんは『伊豆の踊子』で
 実に効果的に
 『コトコト笑う』
 という文を使用しています。
 三島由紀夫さんはオノマトペの使い過ぎを戒めながらも、
 実はけっこう使っているんです。
 地域別のオノマトペもありますし、
 そして古典中の古典たる
 『古事記』にも
 しっかり出てくるんです、オノマトペが!

「そんなにィ~むかしまでェッ!」
「ぐるがるるぐるるぐる!」(←訳:オノマトペは長生きだ!)

 わかりやすく、面白く、
 それでいて日本語の核心に迫る《擬音語》&《擬態語》論、
 GWは読書三昧さ!という御方は
 びしっと読破しちゃって下さいませ~!

「どしどしィッ、ばりばりッ!」
「がるるぐるっぐるがるる!」(←訳:読みまくろうっ連休を!)