民主党内で26日、新たに衆院当選1回議員2人の離党の動きが表面化した。
関係者によると、熊田篤嗣衆院議員(41)=大阪1区=と水野智彦衆院議員(56)=比例南関東=が地域政党「減税日本」(代表・河村たかし名古屋市長)への参加を検討。
熊田氏は同日午後に離党届を提出して記者会見を開く準備をしていたが、水野氏が慎重姿勢を示し、同日は見送った。
臨時国会の29日開会を前に離党予備軍への警戒を強める民主党執行部は引き留めに追われている。
【河村氏の胸中やいかに…写真入り記事】河村名古屋市長:任期あと半年 転身か続投か胸中は複雑
減税日本には現在、小泉俊明(茨城3区)、小林興起(比例東京)、佐藤夕子(愛知1区)の3衆院議員が参加。
いずれも民主党離党組で、熊田、水野両氏が加われば「国会議員5人以上」の政党要件を満たす。
河村氏は臨時国会が始まるまでに「国政政党化」を目指す構えで、26日上京し、調整を続けた。
河村氏は同日夜のBSフジの番組で、国会議員5人の確保について
「大体大丈夫だ。苦労しましたよ」と述べ、週明けにも記者会見して政党化を発表する意向を示した。
熊田、水野両氏は先の通常国会で消費増税法に反対し、ほかの当選1回議員らとグループをつくって活動。
党内では「離党予備軍の筆頭」とみられてきた。
熊田氏は26日午前、地元支援者に離党する意向を伝えている。
東京都の石原慎太郎知事が新党結成を表明した翌日だけに、「第三極」新党への参加の動きが強まるのを懸念していた民主党執行部には衝撃が走った。
与党の衆院過半数割れまで9人に迫っており、2人が離党すれば、さらに動きが広がりかねない。
山井和則国対委員長が26日、熊田、水野両氏の事務所を訪ねたり、電話をかけたりして引き留めに努めた。