中国単身赴任生活 東京浦島太郎編

10数年住んだ中国を離れて東京のサラリーマン。浦島太郎です。
今は、自転車、写真、ジュリエッタなどのブログです。

両岸の意味するところ

2005-09-08 | 一般
私の勤務している会社は台湾の対面福建省にあります。
中国と台湾は微妙なバランスをお互いがとりながらうまく発展していこうと模索しています。公式発表のように双方が独立だ、統合だと争っているようにはここにいる限りは思えません。
中国民族(決して一民族ではありませんが敢えて表現すれば)独特の本音と建て前の使い回し、を絶妙のバランス感覚でこなし、中央政府と地方政府を又これうまく使い分けて物事を進めようとしているように見えます。
日本でどこまで知られているか判りませんが、福建省からは複数のルートで台湾へ直行できます。もちろん我々外国人は使えません。相変わらず一回香港まで行って飛行機の乗り換えです。直行ルートを使えるのは台湾人と台湾に親戚のいる中国人だけです。
福建省と台湾という地域を表現するにも、中華民国も台湾省も使いません。この辺りでは「両岸」と書けば両方を表し、西岸:福建、東岸:台湾です。こう書いておけば地理的には事実ですし政治も排除できます。なんとも上手な処理ですよね。相互依存関係にあるこの微妙な場所では、中央政府同士の表面的な対立なんかどこ吹く風です。絶対に中央政府の支持の下、こういう動きをしているのだと私は確信しています。もちろん新聞やTVには中央政府のご意見は掲載されますが、読む方が「これは公式見解」と割り切っていればどうと言うことはありません。また一般人民は「台湾は中国の領土」と教育の成果で確信をしており、政治的な動きに反応しますが、政府関係者が事実を理解していれば、変な動きになることもありません。

この微妙な「あうん」の呼吸、我々にはなかなか難しいのかも知れません。イエスかノーか、という質問に対して、全然違う返事の仕方をして、質問をした方も「そうそうそう言う回答を待っていたんだよ。」というのがこの二つの地域の関係だと思っていた方が、色んな事実がわかりやすいような気がします。

明日台湾工業界のそうそうたるメンバーが大勢うちの会社へ来ます。これだってここへ来る最高の口実です。だってこの会社は台湾の(と日本の)投資会社だし、それを見学に来るのは普通のことです。でもここにいる時間のほとんどは政府関係者との面談です。見学に来るほとんどの会社は私のいる会社の業界とは無関係です。

こういう状況を楽しめるというのが、この合弁会社の一番面白いところです。

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