中国単身赴任生活 東京浦島太郎編

10数年住んだ中国を離れて東京のサラリーマン。浦島太郎です。
今は、自転車、写真、ジュリエッタなどのブログです。

結婚できるかどうかは金次第

2006-07-20 | おもしろ記事
私の話ではもちろんありません。

田舎町に出稼ぎに来ている日本式バーのお姉さん達から聞いた話です。

大体みんな福建省内の農村、漁村からお金稼ぎに出てきています。
日本式バーは稼ぎそこそこ、安全第一、で彼らにとっては比較的効率の良い稼ぎ所です。

大体が稼いだお金を田舎へ送金して、両親の生活費、兄弟(特に男の子)の進学の学費に消えてゆきます。

男女同権と言っても南の方(特にこの辺りの農村、漁村)では、伝統的社会が残っていて明らかに男尊女卑。女の子は男の兄弟が進学するために学費を稼ぐというのは、誰から言われる訳でもなく強制されるわけでもなく、ゴク当然のような事となっています。

彼女たちはよくても中学卒業という学歴。高校卒という子もごく希に混じっているくらいです。都会では高校ぐらいまでは最低学歴になりつつありますが、一人っ子政策はどこへやら兄弟いっぱいの農村漁村では女の子を高校へ行かせるなんて言う進歩的な親はまだまだほとんどいない状況です。

そういうわけですから、中学卒業してから2-3年は地元で働き始めます。田舎ですので当然給料も少なく、不満が溜まってくると都会へ出てくるようになります。田舎町とは言え一応は省都ですので、そりゃ農村よりは給与が高くなります。

で、数年間頑張って送金を続けながらも自分でもお金を貯め、同時並行で結婚相手も探したい!というのが彼女たちの基本的な考え方です。

この辺りは北の方と違って結婚年齢が早く、女の子は25.6才くらいまでにほとんどが結婚してしまいます。

自分で相手を探すという幸運な場合もありますが、大半は親戚や友達の紹介という状況。結婚すればまた農村、漁村へ帰るというのが一般的です。

驚いたのはこういうステップではなく、男の方にお金がないと嫁さんが貰えないという実態です。

省都に比較的近い(=比較的発展している)農村では、婚約時に男の方から女の子の家に対して婚約金として33,333元を払うのが普通だと言われました。そひて結婚するときには新婦にネックレス、ブレスレット、イアリング、指輪等装飾品一式、もちろん南の人の大好きな24K黄金製です、を送ることが必須であると。

もっと貧しい農村では、この婚約金と装飾品一式の金額がグンと跳ね上がるそうです。ひどいところでは贈られた装飾品一式をまとめて秤にかけて、「こんな軽い金しか贈れないんだったらうちの娘をヨメにはやれぬ!!」と婚約破棄になる場合すらあると。

可愛い娘だから金のない奴には嫁に出したくない、と言う気持ちなのか、はたまたここまで金かけて育てたんだからもっと金寄越せ!と言っているのか、と言う疑問の向きもあるかも知れませんが、残念ながら圧倒的に後者のようです。

またどちらの場合でも住む家がなければ絶対に結婚なんかできないと!!
無論親と同居なんて言うのは家があることにはなりません。どんなあばら屋であろうとも独立した家が必須条件。。。

婚約金33333元といいますが、日本円で約50万円、うちの工員の平均給与の18ヶ月分(1年半分!)ですよ!!
うちの平均給与はこの田舎町の平均給与を遙かに上回っていますが、それですら1年半分。農村にいる若い男が、そんな金を持っているはずはありません。

そうなんです、兄弟の進学費用ばかりか兄弟の結婚費用までが女の子たちの負担になってくるのです。

この負担から逃れるためには、どうすればいいのか? 

結婚すれば全てから解放されるとのこと。男兄弟が結婚する前に自分が結婚してしまえば、こういう負担の義務から解放されるというのです。
こういう理由からもこの周辺では女の子の結婚年齢が早くなるという傾向を助長するのですね。

お金のアテのない農村の男はどうやって結婚するのか?

もっと貧乏な農村から出てくる女の子と結婚するそうです。

但し周辺の貧乏な農村だと更にお金がかかるので習慣の違う他の省の貧乏な農村出身の嫁さんをもらうんだと。。これだと金が余りかからないからと。
良くきいてみると半分以上騙す様な状態で連れ出した女の子を嫁として紹介する業者がいるとのこと。

これってほとんど人身売買だよね。(というか、まさしく誘拐、人身売買で逮捕される奴らが毎月新聞に出ています。)


お金がかからないで結婚できるという極めて希なケースとは、女の子の方がもうどうでも良いくらい男に惚れて両親の言うこともきかずに家を飛び出した場合にほぼ限定されるようです。

逆にお金さえ持っていればどんな男であろうとも、農村出身のどんなに可愛い女の子でも親はすぐに結婚させてくれるそうです。

これが農村の実態のようです。