映画ドット・ジ・アイ Dot the i 数年前に観て、映画のタイトルが思い出せず気持ち悪かったのですが、先日テレビで放映していて気分すっきり。
心理サスペンスものです。普段サスペンス物は観ない私ですが、2度観ても引き込まれました。
歌劇「カルメン」をモチーフにしているとのことで魅力的なヒロインもカルメンという名になっています。
裕福でカルメンを一心に愛する男性と婚約しながらも、役者志望の男性に心惹かれ、あっさりと関係を持つ奔放なカルメン。
新しい男性に心を残しつつも結局結婚はそのままするのですが、この三角関係の結末は・・・というお話。
この映画は男女の恋物語ではありません。さまざまなたくらみ、どんでん返しにあっと観客は驚く。そして登場人物の誰かに共感しつつそれぞれの登場人物の行動の「わけ」を理解しようとする。
そのプロセスの面白さだと思います。映像も、物語の筋運びも、その都度「誰の視点か」が揺れ動き、一定しません。観客をぐいぐい話に引き込む巧みな演出です。
芥川龍之介の「藪の中」がお好きな方であればきっとお気に召すと思います。
結末は多少のカタルシスはあるものの、後味はあまりよくありません。
なのになぜか魅力を感じる不思議な映画です。
主な登場人物の一人を演じる俳優は、ガエル・ガルシア・ベルナルというメキシコ出身の注目株だそう。
ロバートレッドフォード率いる、インディーズ映画の登竜門、サンダンス映画祭への出品で、そこで評判が良かったそうです。機会があればご覧下さい。
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