久留百合子の生活者視点

仕事、旅行、日常のちょっとしたことから得た情報、生活者として感じたことなどを綴ってみます。

日本と戦争

2019-08-20 17:18:27 | Weblog
 8月に入ると特に今年は令和という新しい時代に入ったからか、天皇が変わったからか、先の戦争について、またその戦争と天皇の関係についての番組が多かったと思います。

 ニュースでは、勿論、広島、長崎の原爆投下日、8月6日、9日、そして、15日の終戦と毎日のように取り上げていました。
 しかし、今年はそれだけではなく、どうして第2次世界大戦が起こったのか、どう終結されたのか、それに天皇がどう係わっていたのかなど、新しい資料が出てきたこともあり、番組として詳しく取り上げられていました。

 私が見たのはどちらもNHKですが、二・二・六事件、そして昭和天皇の日本独立式典のスピーチ作りの話でした。
 二・二・六事件についてはある程度知ってはいましたが、陸軍の中の特殊若手集団が天皇の権威をかかげて突き進んだこと、それに天皇は立腹したこと、それを利用して陸軍が力を持ち、政治に介入して行ったこと、海軍はこの事件の計画を知っていたが、黙っていたことなど、知らないことだらけでした。
 そして、何よりも怖いと思ったのは、このように動き出したり、進みだすとだれも止められないということ。先の映画「アルキメデスの大戦」でも声と力の大きい人が一旦言い出すと止めるのには相当の力がいるということ。

 これはある新聞に載っていたある人の論調でしたが、日清戦争も清が戦略してきたので、それを止めるために戦争した、日露戦争はロシアが満州に攻め入ろうとしたので、阻止する戦争だった、第二次世界大戦もアメリカが石油輸出を止めたので、英国はドイツの侵略を防ぐために日米を戦わせてドイツもやっつけさせる思惑など、いろいろ理屈は続くようです。
 それではどうして清の侵略を日本が出て行って戦争しなくてはいけなかったのか、ロシアと闘わなくてはいけなかったのか、それは、日本もアジア各国に侵略しなくてはいけなくなったから?まだわたしにはすべて納得できていません。

 分かりませんが、昭和天皇のスピーチ作りに係わった初代宮内庁長官の記録では、天皇は大戦に大変責任を感じ、何とかそれを盛り込みたかったのに、その時の吉田茂総理大臣がやっと独立を果たした時に、戦争を思い出すようなことを入れてほしくないと進言したそうです。テレビのコメントとしては、それがこの大戦の本当の反省と検証がされないまま今日に至ったのではというのでした。

 考えさせられます。どれだけの人が犠牲になり、騙され、泣き、苦しんだことでしょう。
 どんな大義名分があっても戦争で人を殺すことがあっていいでしょうか。戦いが必要でしょうか。しかたないことでないことは、先の戦争で嫌というほど分かっているはずです。
 この気持ちをこの8月だけでなく、皆、ずっと持ち続けなくてはいけないと思っています。