久留百合子の生活者視点

仕事、旅行、日常のちょっとしたことから得た情報、生活者として感じたことなどを綴ってみます。

やっと3つの審査の仕事が終わりました!

2009-11-06 12:07:15 | Weblog
 先週金曜、土曜、今週日曜、そして月曜となぜか4日続けて、広い意味で”審査”をするという仕事をさせてもらいました。

 まず、金曜午後と土曜一日は「福岡市の事業の仕分け」の仕事。まさに今話題の事業の仕分けです。福岡市は昨年から試行という位置づけで始め、今年も試行ではありましたが、昨年は3月に開催したという、まあ、いうなれば”やってみた”ということでしたが、今年は、10月末に開催し、今回の事業の仕分けの結果が、即決定事項ではありませんが、少なくとも予算の考え方に反映されるようにと、この時期になりました

 10月30日午後1時半からスタート。この日は、市民2名を入れた7名で、5つの事業を評価。昨年と一番違っていたのは、マスコミと傍聴者の多さ。昨年は、市役所の大講堂であったということもあって、また、まだまだ世間の関心が薄く、広い会場ががらんとして寂しかったことを記憶しています。
 それに比べ、今年は、ちょうど国の事業の仕分けが行われている真っ最中だったこともあって、テレビカメラがズラリ、傍聴者の立見が出るほどでした。

 次の日31日は、朝10時から開始。残りの14事業を2班に分けて評価。16時までかかりました。
 簡単に事業の仕分けのやり方をご説明しましょう。1事業に対して、時間は40分。始めの5分で担当部署職員が事業の説明をして、30分の質疑応答。残り5分で評価決定します。当日は、5分しか説明されませんので、評価者は事前に資料を読み込んで、質問を考えておかなくてはなりません。
 また、質問に対して、担当者がもたもたと答えていると、すぐに時間が経ってしまいます。
 事業名や結果だけでは(新聞にはほとんどこれしか出ていないので、結果の”廃止”の文字だけ躍っているようで理解されにくいと思うので)なかなかわかりにくいので、今回仕分けをした中から例としてひとつ上げてみましょう。

 事業名は「市の福祉手当(重度心身障がい者福祉手当)」ですが、この事業は、昭和48年から重度障がい者に対して、年末に1万5千円(施設入居者以外は2万円)を支給しているものです。
 所管部署の評価でも、”総合的に見直していく必要があるのでは”とされていましたが、評価者の議論でも、昭和50年頃から国の特別手当が創設されたり、61年には障害基礎年金ができたりと状況の変化がいろいろ起きているにも係わらず、ずっと変わらずこの金額で支給され続けていたということが考えられないのです。
 このような福祉に関する仕分けは、大変難しいと感じます。このような時代ですから、財政は緊迫している、しかしやめれば福祉切り捨てにならないかと大変迷います。
 しかし、この事業に仕分けで大切なことは、”切るかどうか”ではなく、①税金を使って事業をしているということを再確認する②世の中の変化と照らして、思い切って見直す③他の部署と被っていないか、他の部署と連携できないか考えてみるなどなど”税金を納めている市民視点で見直してみる”ことではないでしょうか。
 この事業、議論の結果、総額3,500万円近くになるお金を重度障がい者の方々のためにもっと有効に使えないのか、そもそも一人2万円という支給が役にたっているのかどうか調べてみることも含めて「要改善」ということになりました。

 昨年もそうでしたが、どの事業も明らかに無駄と思えるようなものはごくわずかです。しかし、市民視点で見ると、どうして継続しているのか、効果の検証は?他にもっとそのお金を有効に使える知恵は・・・・などなど疑問だらけです。
 どうしてもこれまで行政は、予算継承主義というか、見直しよりも何とか前年どおり予算を取ってきて継続することを良しとしてきた結果でしょう。
 この事業の仕分け、一見難しそうですが、一市民にとっても税金の使い道や行政の仕事に関心を持ついい機会になります。どうか皆さんも自分たちの地域行政に関心を持って、自分たちで地域を良くしていく一歩にしたいですね。

 次に11月1日は、筑紫野市の職員採用面接官の仕事でした。これも昨年に引き続き2回目。この日も朝9時半から17時まで36名の面接をしました。専門職などもあるので、3班に分かれて、私が担当したのは、一般事務職で、市長といっしょの班で4名の面接官で1度に2名を面接します。合計20分の中で、出来るだけいろいろな角度から質問をし、筑紫野市の職員として適格かどうか採点します。
 これも神経を使う大変な仕事です。また、大変な責任を伴うものです。他の市町村は知りませんが、私のような民間人を入れて面接をするというのは、ある意味積極的な市政を感じます。前の事業の仕分けのように、市民視点を取り入れていくという意味では、小さなことかもしれませんが、外部の人を入れるということは大変いいことだと思います
 そしていつも市長には、いい人を取ることもですが、入ってから大事に育ててください、とお願いしています。ここがもっと大切なことですよね

 そして、最後、11月2日に行われた、福岡県温暖化防止推進センター主催の福岡県代表を選出する「ふくおか減CO2自慢大作戦」の審査員を務めました。
 この事業は、今年で3回目。全国48都道府県から、これはという温暖化防止をがんばっている代表を送り出し、日本一を決めるものです。その福岡県代表を決める選考会というわけです
 今回、12の団体、学校、企業が出演し、全国大会と同様の4分間でプレゼンを行い、質疑応答をして、採点するというものです。
 これは結構楽しい仕事ですが、やはり県代表を決めるというのは大変です。昨年は、「楽しい株式会社」という食品残さリサイクル事業をしている企業さんが代表になり、全国大会でも優秀賞を取られました。
 今年は、1,2位が大変切迫していて、結局1位県代表は、「5校区スーパー4店舗 レジ袋削減作戦チーム会」が、残念ながら2位は「県立宗像高校」3位紙おむつのリサイクル会社「トタルケア・システム(株)」でした。

 選にはもれましたが、マネキンのリサイクルをしている企業や運送会社で徹底的にCO2削減を行っている会社や、学校周辺の農家と連携しながら自然環境を良くしていこうと活動している学校など素晴らしい取り組みをしている方々の発表を聞くことができました
 これから、2月の全国大会を目指して、「5校区・・・・」には県代表として磨きをかけてもらうために、今回審査した委員が、指導をしていくことになっています。結果が楽しみです。

 たまたま続けていろいろな”審査”をさせていただきましたが、確かに事前準備がどれも大変でした。しかし、どれもいい経験をさせてもらったと思っています。審査するって、本当におこがましいことですが、自分の考え方を再認識したり、いろいろな方面の勉強をさせていただくいい機会になったと感謝しているところです