広重が描いている「東海道 宮」には少なくとも3種類の絵がある様ですが、此処にあるのはその一枚です。
宮。そうです。熱田神宮のある所なのです。
此処にある広重の絵は、次の宿「桑名」に渡る渡し船の舟付き場「七里の渡し」があった付近の様子です。そこからあわただしく綱政侯の一行は舟に乗ったのです。その時の模様を次のように書き記されています。
「十八日宮より舟にのりて海上を渡るに、しぐれ降り、かくして行衛もみへはかざりしに、浪より雲の出るやうになん侍れば
曽古となく あをの海原 かきくらし
しぐるる空に つづく白波」