私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

長寿の話 7 大郎媛その2

2008-09-19 20:08:46 | Weblog
 300歳で結婚したとされる播磨稲目大郎媛の話は余りにも突拍子過ぎます。そこで、次のような経緯があって、年齢に間違いが起きたのではないかとも想像して見ました。
 この媛の父君の名前は若日子建吉備津彦命で、大郎媛の兄に吉備建彦命がいます。この時代には、このように父子でよく似た名前の付いた人が多くおったようで、それを聞いて記憶した人が二世三世を一世だと勘違いしたために、予想以上の年齢になったのではとも思われます。当時は文字がなかったので当然そんな誤りも起ると思えますが、どうでしょう。
 大郎媛が若日子建吉備津彦命の媛でなく孫媛ぐらいだったら年齢的に辻褄が合うのではと思います。

 それにしても、この当時の人は、今の人の2倍以上も長生きしています。歴史的に見ても、どんな国にも例を見ない程、異常な長寿と言うのは少々おかしな話だと言わざるをえません。
 大体六七十歳で始めて皇長子が生まれるなんてことがあるはずがありません。生物的に見ても常軌を逸しています。
 その辺りを考えながら日本の古代社会の歴史は見ていかなければならないということは当然ですが、やっぱり基本は、本居宣長の言うように「深く疑ふべきことに非ず」で、古代の歴史は読むべしです。

 これで長寿の話はひとまず終えようかと思ったのですが、どうしても「あっしをお忘れではないでしょうか」と喧しく私の胸に分け入ってくるお人がお出ででした。その人を紹介してこのお話を終わりにしたいと思います。
 では、又、明日にでも。