私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

長寿の話 2-武内宿禰の巻

2008-09-11 14:24:28 | Weblog
 暫らく日本の古代の絵巻物の中に、ご招待したいと思いますのでお付き合いください。


 さて、まず始めに、日本の歴史の中で一番の長寿の人の絵巻物です
 日本書紀によりますと、その人の名は「武内宿禰」といいます。
 何せ、景行、成務、仲哀、応神、仁徳という五代の天皇に仕えたというのです。では、いったいどのくらい武内ノ宿禰(たけのうちのすくね)は長生きしたかと言うと、本によってさまざまに記されて定かではありません。
 日本書紀には「世の遠人。世の長人」、古事記でも「世の長の人」あり、何歳とはどちらの本にも書かれていません。
 ただ、この五代の天皇に仕えたということだけで、後世になって物好きな人によって、武内ノ宿禰は何歳で亡くなられたかと、ああでもないこうでもないこうでもないと詮索したあげく、結局、分らず、テンでばらばらに自分のが一番正しいと主張したらしいです。
 例えば、中国の宋書日本伝には、309歳、愚管抄には380余年とも書かれています。兎に角、日本一の長生きした人です。一番少ない数字を挙げている「水鏡」という本でも、それでも280歳とされています。平安以降、数えても10人ぐらいの人が、この武内ノ宿禰の歳を考えて本にしています。平和なよき時代だったのでしょう。

 まあ、兎に角、大変長生きした日本歴史上の人物らしいのです。
 今、突然「武内ノ宿禰」だと言っても、ご存知のないお方が殆どだろうと思いますが。戦前には、この人の肖像が壱・五円札に擦る込まれていました。それぐらい有名人でしたが、いいのか悪いのかは知りませんが、今は殆ど知る人すらいないと言うのが現状です。

 武内ノ宿弥の仕えた景行天皇さんと吉備津神社とがまた深い関係がありますので、取り上げてみました。それはまた明日にでも。なお、景行天皇さんは日本書紀では106歳(また別の本には143歳)で崩御されたことになっています。