私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

細谷川と詩歌

2008-09-09 20:35:18 | Weblog
 岡山市高松公民館では、「吉備津と高松の文学探訪」という講座が開かれています。今日は、赤木慎平先生の“詩歌と吉備の中山”という現地見学講座でした。
 吉備津の細谷川には多くの文人達の詩歌が残されています。その姿を求めての今日の探訪でした。
 去来の句碑から始まって、栄西、兼康、高尚と言った人達の跡を訪ね、最後が渇水のため水流のない細谷川を登ります。音のさやけさも何もあったものではありません。流水がないのですから。でも途中で、何でこんな所にと思われるような芭蕉が大きく葉を茂らせて空高く伸びています。そんな景色を通って登っていきます。
 講師の赤木先生の話によると、吉備の中山と細谷川を読んだ和歌は、清少納言の枕草に影響されて、平安の昔から数多く残っているのだそうです。
 日中の厳しい秋の日差しを遮ってくれる楓などの大木の下での先生の細谷川の詩歌の説明を聞きます。
 そこから少し登ると、高尚先生の句碑も夏草に覆われるように哀れな姿が見え隠れしていました。
 時は流れ石に刻まれているその文字は何時しか消え去り読むことは出来ないのですが、側にある説明板には、次のように書かれてあったとありました。

   露ふかき谷のさくらの朝しめり見し夕暮れの花はものかは
   もみぢ葉は谷ふところにかくしたる千しほの玉の林なりけり
                              松斎
 さくらと松ともみじをこよなく愛しておられた高尚先生の句として二首が刻まれていたそうです。

 楽しい二時間の今日の現地見学でした。