私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

石なごー2

2007-12-20 15:11:01 | Weblog
 前に一度『石なご』について取り上げましたが、もう一度取り上げます。

 昨日でしたか、新聞小説に「西行」の歌が載せられていました。
  
   石なごの 玉の落ちくる ほどなさに
         過ぐる月日は 変りやはする


 「子供の時に遊んだ石なご遊びで、放り上げた石が落ちてくるようなほんの僅かな時間のような、過ぎ去ってしまった年月は、そんなにも変ったのだろうか、いや変ってはない昔のまんまだよ」
 と、いうぐらいな意味だと思います。
 
 この「石なご」について、
 高尚先生は
 「をさな子の遊びは昔も今も大方変らず、今の世の中でも子供達は石なご遊びをしている」
 と、お書きになっています。
 
 私事(ひとりごと);
 この石なご遊びは、平安の昔から、西行の時代を通って、室町、江戸・明治まで、いや私の遊んだ昭和30年代までも続けられていました。
 我々もよく2、30個の飴玉程度の同じぐらいな石ころを川原から拾ってきてポケットに入れて、学校に通ったと、言う記憶があります。授業中、手をポケットに入れて、その石をがちゃがちゃやらかして、先生に見つ、随分とおしかを受けた、と言う記憶もあまずっぱく残っています。冬の遊びではなったかと思います。
 
 それは兎も角として、西行の歌にもあるように、この遊びは、少なくとも1000年近く長きにわたって、日本の子供達の間で、随分と親しまれてきたポピラーな遊びだったのですが、今では殆どの人の記憶の中から消え去られてしまっています。わずか50年足らずで完全に忘れられてしまいました。
    
    石なごの やり方さへも 置き去られ
          過ぐる月日は 変りこそすれ