外は木枯らしが吹きすさんでいます。冬ざれのわびしい景色が吉備の里にも広がり、秋はとっくにいむでしまいました。
ついこの前まで、蔦の葉が真っ赤に燃えて、一帳羅の秋を見せていましたが、もう師走も半ば、総べての葉は散り落ち、本物の最後の一葉だけが落ちそうで落ちず、この冬風の中、己が自身を蔦に絡ませて、人の世をあざ笑うがごと壁に粘り強くへばりついています。
残り葉の 一枚揺する 寒さかな 亮
ついこの前まで、蔦の葉が真っ赤に燃えて、一帳羅の秋を見せていましたが、もう師走も半ば、総べての葉は散り落ち、本物の最後の一葉だけが落ちそうで落ちず、この冬風の中、己が自身を蔦に絡ませて、人の世をあざ笑うがごと壁に粘り強くへばりついています。
残り葉の 一枚揺する 寒さかな 亮