この前、テレビをみていると、50万円も出して買った中国の焼き物が、たったの「1000円です。全くの贋物です。第一、物に品格がありません」と鑑定士に、こてんぱあに言われて、一瞬、二の句が継げないような顔をしていた男の人がありました。
この贋物についても、高尚先生は『松の落葉」の中にお書きになっています。
「私が江戸に遊んだ時、加藤千蔭が、貫之が書いたという古今集を手に入れたから、それを板に彫って紙に刷り移したのでやると、言って持たせてくれた。そんなもの贋物に決まってると思ったが、折角の老人の言うこと、無碍に断るわけにもいかず、『大層珍しいものありがとう』と言って貰ってきたが、なんともへんてこりんな気がした。
貫之の古今集や小野道風の万葉集があったということは、栄華物語にも書かれていて大変貴重なものだったが、焼けて今はなくなってしまっている。残念なことだが」
と。
私事(ひとりごと);
お宝は、高尚先生よりも、もっと昔から大変な貴重品ゆえに大切に保管され、また、高額で取引されていたようです。50万円が千円と言うのも、ざらにあったということです。ここに出て来る貫之の書も当然の贋物、贋物とわかって貰った先生はどんなお顔してお口を拭ぐわれたかと思うとは、ちょと愉快な気分になります。
まあそれにしても、近頃の「偽」ばやりですこと!
この贋物についても、高尚先生は『松の落葉」の中にお書きになっています。
「私が江戸に遊んだ時、加藤千蔭が、貫之が書いたという古今集を手に入れたから、それを板に彫って紙に刷り移したのでやると、言って持たせてくれた。そんなもの贋物に決まってると思ったが、折角の老人の言うこと、無碍に断るわけにもいかず、『大層珍しいものありがとう』と言って貰ってきたが、なんともへんてこりんな気がした。
貫之の古今集や小野道風の万葉集があったということは、栄華物語にも書かれていて大変貴重なものだったが、焼けて今はなくなってしまっている。残念なことだが」
と。
私事(ひとりごと);
お宝は、高尚先生よりも、もっと昔から大変な貴重品ゆえに大切に保管され、また、高額で取引されていたようです。50万円が千円と言うのも、ざらにあったということです。ここに出て来る貫之の書も当然の贋物、贋物とわかって貰った先生はどんなお顔してお口を拭ぐわれたかと思うとは、ちょと愉快な気分になります。
まあそれにしても、近頃の「偽」ばやりですこと!