私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

鬼について-2

2007-07-21 09:31:08 | Weblog
 再び、「松の落葉」に戻ります。
 我、高尚先生は、前回にもご説明したとおり、「鬼」について書いてあります。
 始は、鬼は「もの」と読んでいて、「もののけ」というのはその名残で、化け物のたぐいであったようです。
 書紀では、神代の巻には、『葦原中ツ国の邪鬼(あしきもの)』とあり、また、景行天皇の巻には、 『山に邪神(あしきかみ)あり。郊(さと)に姦鬼(かたましきおに)あり』と書いて、鬼という字を「もの」「おに」という異なった読み方で言い表しています。
 鬼というものは、最初は、荒ぶる神の類なもの、しなくだれるもの(下品で見劣りするもの)であったのが、次第に姿を変じて、次のような形になってきたのです。
 恐ろしい形をしてく、妙(くす)しき技を使って、形を現したり、隠したりして色々その時に応じて変化して、人を食ったり、人を困らせ苦しめたりする者を鬼と呼んでいたようです。
 具体的にどんな形をしていたかということは本により色々と異なって記述されています。
 「毛がむくむくと生え、つめは刀のように伸びていたとか、また、顔の面は朱色で円座のように広く、目は一つあり、丈は9尺(約3m)ばかりで、指は3本、爪は5寸(約17cm)あり刀のようであり。体の色は緑青色で、目は琥珀色で、頭の髪は蓬のように乱れている」
 と。まあ大変ないでたち姿をしていたようです。
 又、この中で高尚先生は、鬼は男だけではないのだ、女の鬼もいるということをお書きになっていらっしゃいます。念のために。
 
 
 どうして、前に、一度取り上げた鬼を、再び取り上げたかというと、今も、この吉備津に、誠に奇天烈な鬼が、どうも居るらしいという事を耳にしたからです。
 その現代の鬼については、明日お話しましょう。