私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

笠臣について

2007-07-13 14:25:32 | Weblog
 書紀によりますと、兄媛を慕って、大和の国から、はるばる葦守(現在の足守)に行幸なされた応神天皇を、御友別命一族が、深く親身になって饗応します。その奉公に対して天皇は、この一族の者を、吉備の国々に安堵します。
 長男の稲速別(いなはやわけ)を川嶋県主に、また、御友別命の弟の鴨別を「波区芸(はくき)」県主にしたとあります。これが笠臣の祖だそうせす。
 この波区芸県が何処にあったのか、はっきりとわかっていません。笠岡のあたりだ、いや鳥取県日野郡あたりだ、いや旧御津郡(一宮)のあたりだ、と、諸説ふんぷんとして定まらずです。
 まあ、川嶋河の虬退治のお話にも出てくるのですから、浅口・笠岡辺り(岡山県の西南部)であったのが本当なのではないかと思います。

 なお、蛇足ですが、上田秋成の雨月物語の『吉備津の釜』の中に出てくる吉備津の神主の女子も、この鴨別の裔だとあります。これは物語ですが、笠臣(鴨別)というのもかっての吉備の名家であったことは確かです。

 万葉歌人笠朝臣金村も、この笠臣の出身だと言う事だそうです。