酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

メディアの責任

2009-02-17 05:32:49 | Weblog
 中川財務相の酩酊会見が問題になっているが、会見場にいた日本のメディアの「ぼんくら」ぶりも目に余る。なぜ、彼らはその場で「大臣、お酒を召し上がっているのではないですか」と尋ねないのか。朝日の安川記者は「記者団には戸惑いが広がった」と書く。こんな記事を読まされると、読者が戸惑う。

 《【ローマ=安川嘉泰】ローマで開かれていた主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が14日閉幕したが、中川財務・金融相の記者会見での様子が、同行した記者団らの間で話題になっている。

 14日夕、中川氏は白川方明・日本銀行総裁らと記者会見に臨んだ。「昨日夜から」と切り出した中川氏の口調は終始はっきりせず、スピードもゆっくり。時折、目を閉じるなど、眠気をこらえている様子だった。記者団から「反保護主義という議論があったと思うが」という質問をされたが、答えずじまい。かみ合わないやりとりに、記者団には戸惑いが広がった 》=朝日com=
 
 16日紙面の扱いは、第2社会面に写真付き2段である。とりあえず載せておきました、というところか。

 毎日の記者は、イタリア政府職員の疑問をどう聞いたのか。「今日ははちょっとひどいけど、いつもまあ、あんな感じです」とでも教えてやったのか。毎日は取っていないので、扱いの程度は分からない。

 《ローマ藤原章生】ローマで14日午後に閉幕した先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の記者会見の席上、中川昭一財務・金融担当相は、体調が優れないのか、時折ろれつの回らない口調がみられた=写真左・AP。時差ぼけの影響か、疲労によるものか原因は不明だが、イタリア人の政府職員からは「彼はどうしたんだ」という声が聞かれた。

 中川氏は、白川方明日銀総裁らと会見に臨んだ。中川氏は終始眠そうにまばたきを続けていたかと思うと、白川総裁に対する記者の質問に「何、もう一度言って」と割り込んだり、いきなり語調を強め「どこだ」と質問した記者の位置を確認するなど、不自然な態度が目立った》=毎日jp=

 不自然な態度や見ていて戸惑うような行動を大臣がした場合、「なぜか」と追及するのがメディアの責任なのに、まったく役割りが果たせていない。読売にいたっては13版地区で見る限り、紙面掲載さえしていない。前夜、中川と飲んでいた記者もいたのでは? と勘ぐりたくなる。

 メディアの勘の悪さは、一線だけではなく論説にも及んでいるようだ。例えば、かんぽの宿をめぐる論調である。

 毎日の「社説ウオッチング」は、、朝日の迷走ぶりと対比しながら、毎日の論調は一貫していたと自賛、最後を次のように締めくくる。

 《今回のかんぽの宿売却をめぐる総務相と日本郵政の動きには、入札・売却のあり方のほか、郵政民営化問題や総選挙を控えた政局への思惑も絡んでいるとの見方が強い。一連の社説は、それらを考慮しながら、事態の骨格が判明する前に論評する難しさを浮き彫りにした》=毎日jp=

 事態の骨格が判明すれば、新聞社が論評しなくても国民は判断できる。星雲状態に目を凝らし、何が核心かを探り出すのがメディアの責任だろう。

 朝日が鳩山総務相批判から入ったのは、事態の骨格を知らなかったからではあるまい。かんぽの宿疑惑が郵政民営化見直し論を勢いづかせかねないと考えたせいだろう。毎日もそのくらい分かっているのに、あえて「難しさを浮き彫りにした」などと擁護してみせる。

 皆さん、大甘ですぜ。

 

 
コメント (1)
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