酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

「貴乃花」名誉毀損で社長も賠償!

2009-02-06 05:33:22 | Weblog
 画期的というかとんでもというか、なかなかの判決だ。週刊新潮の記事で「名誉」を傷つけられたとして貴乃花夫婦が新潮社と社長を訴えていた裁判で、東京地裁が「社長にも責任がある」として個人での賠償も求めたのだ。


 《大相撲元横綱の貴乃花親方=本名・花田光司=と妻景子さんが、週刊新潮の記事で名誉を傷付けられたとして新潮社や佐藤隆信社長らに3750万円の賠償を求めた訴訟で、東京地裁は4日、375万円の支払いと謝罪広告の掲載を命じた。八百長疑惑などの記事について、松本光一郎裁判長は「十分な裏付け取材はなく、真実とは認められない」と指摘し、「名誉棄損を防ぐ社内体制が整備されていない」として、社長個人の賠償責任も認める異例の判断を示した》=毎日WEB=

 事実認定に関しては情報がないので評価はできないが、社長個人にまで賠償責任を求めたのは明らかに行き過ぎだ。新潮に限らず、メディアの経営者は編集に直接介入しないのが原則である。社内に公序良俗遵守などの徹底を図る責任は追うべきだが、一般的なものだろう。

 判決は「代表者には権利侵害を防ぐ義務があるのに、研修や記事のチェック体制などを整えておらず、重大な過失がある」と決め付ける。新潮社の体制など知る由もないが、それほど重大な過失があったとは信じがたい。

 週刊新潮は飛ばしの多い週刊誌で、善意よりも悪意を得意としているように見える。いわば懲りない週刊誌である。おそらく裁判長はこの点を咎めたのだろう。新潮の脇の甘さが突かれたということかもしれない。

 本件に限らず、このところ各種の名誉毀損裁判ではほとんど原告が勝訴している。しかも賠償金額は高額化する一方だ。「有名税」などという言葉はなくなってしまった。

 スポーツ選手やタレントのスキャンダルを取り上げて騒ぎ立てるのもいかがなものかとも思うが、社会の背景みたいなものだ。ぎしぎしと締め付けては景色が歪む。何より、メディアの萎縮が心配だ。それでなくても縮こまっているのに…。

 

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする